« 気持ちで掴んだ勝利 | Main | 進化半ば »

April 07, 2008

勝利への一体感と適材適所

勝利へというよりも勝ち点3という「結果」に対しての執念が実った瞬間であった。

2試合続けての逆転勝利。しかも鬼門の東海遠征での出来事なわけだから達成感もひとしおといったところであるが、そこに至るまでの経緯などを考えると手放しでは喜べない。

エスパルス戦の前半もそうだったらしいが、ジュビロ戦前半はまさに「負けパターン」そのもの。

高原と啓太が復帰したが、人は代わっても戦術は変えず闘莉王システムを採用したのだが前半に関してはこれが裏目。高原はリアルストライカーとなってはじめて持ち味を発揮するのだが人を背負い繋ぐ役目を負わされては持ち味半減。

要は高原に永井の役目(=リンクマン)を任せていたのだが持ち味が全く違う選手にリンクマンを任せても逆効果になるだけ。また高原自身もメディアが持ち上げるほどフィジカルにキレがあるわけでもなくブレーキになってしまっていた。

これが闘莉王システムに支障をきたす原因になったわけだが、開始早々駒野にぶち破られて失点してしまったのも逆効果となってしまう。土台になるべき闘莉王が自分の判断で前へと上がってしまい後方の選手が上がって来るタイミングを逸してしまったことで統一感がなくなってしまう。

闘莉王の独断に問題があるというよりも永井がいないことにより、前線に「タメ」がなくなってしまったことに問題がある。もっといえば永井以外にタメを演出できる選手がいないことに問題があるといったほうがいいのか?この件については達也やポンテが復帰するのを待つか永井の腰の爆弾が破裂してしまわないことを祈るのみである。

もう1つ問題があるとすれば永井や闘莉王といった個の存在にサイドの趨勢が託されてしまうことにあるか。3バックシステムを継続しているから仕方がないのだが、相手や自チームの特定の選手に依存する傾向が強いのはシステム・戦術がその傾向にあるという事を示している。

選手もサポーターも求めているのは後半20分以降のあのサッカーである。一体感が垣間見れたあの時間を出来る限り長くするためには、タメとフリーランをもっと増やすことにある。

さてエンゲルス就任以降右肩上がりに成績を伸ばしている。さらに若手の積極登用・状況を的確に察したベンチワークなどなど前任者が引き起こした「閉塞感」を打破する采配には一応の支持を得られているようだが、これがあくまで前任者の逆の施策が功を奏しているいわばリアクション采配に近い。

エンゲルスは適材適所を見抜く力があり(だからコーチに適しているのだが)各選手がどういう仕事をするのが最も生きるのかを見抜いているのだが、根本的にはレッズが抱えている問題である「システム・戦術」の部分にそろそろメスを入れてスタイルのマイナーチェンジを図らないとまた同じ悩みにぶち当たってしまう可能性が高い。

今のレッズは

・山田は本人の希望如何に関わらずサイドで起用したほうが良い

・高原はTOPで使う。しかもスコアラーに専念させる(ゲームメークに関与させない)

・闘莉王はフリーマンと考える(ラインコントロールや捌く仕事は不向き)

・梅崎は作る仕事ではなく刺激を与える仕事をさせる

・永井はFWではなくポンテの代役=リンクマンが適任

であるといえる。結局、捌き役とポストマンが不在であることが痛手となっているわけですな。だから闘莉王がシャドーに入るという常識を打ち破る作戦が功を奏したといえるわけです。ただしその作戦も決して型破りなものではなくキチンと後方の支えに細貝を投入し、リンクマンの永井を時間限定で突っ込んでタメと繋ぎを生み出したのである。

もう1つ今のレッズはラインコントロールの主導権が最終ラインではなくサイドスペースによって決まってしまっている。闘莉王ボランチ起用の最大の問題点は彼が上がった時にできるサイドスペースにある。これをケアできる選手がCBになってしまうことで守備ラインが手薄になり劣勢を強いられてしまうのである。

これを改善するには4バックの導入を本腰を入れて考える必要がある。

           エジミウソン(高原)

       梅崎            永井

       啓太            細貝

             闘莉王

    阿部   堀之内   堤(坪井)  山田

              GK

4バックといっても阿部を左に張らせた去年もあった変則4バックなら非現実的な話ではない。山田が最も生きるポジションは4バックの右。ここに山田を託すことでサイドスペースの問題が無くなり中盤の選手はある程度「前」に専念できる。

4バックは闘莉王の存在が問題(彼は背後を気にするあまりラインを下げ目に設定する傾向が強い)だが、彼がフリーマンと化した今はその点を気にする必要は無い。純粋な左SB不在の問題は阿部の存在が消してくれる。また堤もこのポジションが出来るはずなので坪井の存在も生きてくる。

中盤のタクトは闘莉王が握る。彼がプッシュアップすれば前の2人がアンカーになり、阿部・山田がサイドを上がればどちらか1人がケアすると非常に合理的な攻守の入れ替えが実現するはずである。

今のレッズの前線は運動量が鍵を握っており、梅崎・永井の存在が肝になってくる。彼らが労を惜しまないからこそ得点力が回復しているのだから変則4-3-3のキーマンはこのシャドーのポジションにあるといっていいかなと。

スコアラーはもったいないがエジミウソン・高原の争いになるか。

適材適所の条件を生かしつつ、かつ非現実的でない(ある種可能性の高い)システムだと思うのだが。少なくとも鹿島は短い時間でサイドスペースを抉る攻めを繰り出してくるチームなだけに、今の課題を放置したままでは次節の決戦は相当長い時間防戦を強いられることになってしまう。敗北は許されないだけに早期に打開策を見出してもらいたいものである。

|

Comments

現在の課題は、コンパクト、前目での守備プレス、サイドへのカウンター、あたりだと思います。
 長谷部がいなくなり、前後分断が許されなくなっている。
 課題をクリアする目処があれば、上記の布陣は有りかと思います。
 ファーストディフェンスが、何処に成るかがカギか。

Posted by: a110 | April 07, 2008 at 11:03 AM

a110さんの挙げる「ファーストディフェンス」は今のレッズが抱えている一番の課題ですね。
と同時に個人的には「前線でのタメ・キープ」ができないことも問題なのかなと。時間が稼げないからコンパクトにするのも飛び出すことも難しい。

あとキープすることと持たされていることの差がはっきりしないというのもあるのかなと。得点以外のFWの役割をもっとはっきり持たせないとこの辺は改善しないのかなと。

・コンパクトにするためのキープ
・守備プレスをするために走る
・カウンターケアをするためにすばやく切り替える

この3つのいずれか出来るFWが今後抜け出てくるのかなと。永井が重宝されているのはこれが出来ているからかなと。

Posted by: 赤菱 | April 29, 2008 at 12:44 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)