他チームをざっくり分析してみる~2007~(最終回)
いよいよラストです。もう新シーズンが始まろうとしていますが・・・。
<清水エスパルス>
上位争いに常に絡んでいながら結局この位置に落ち着いてしまいノンタイトル。
3年計画の中で着実にチーム力を上昇させたのは高評価なのですが、集大成と位置づけたにしてはもう1つインパクトが足らなかったシーズンだったかなと。
若手を育て、試合を全て日本平で開催し地元密着感を高める施策を施すなど「意図」がよく伝わってくる。ただそれをどう結果に結びつけるのかという点で押しが足らなかった。
藤本が2年目の壁に苦しんでしまったマイナスはフェルナンジーニョの個人技でカバー。矢島がFWのファーストチョイスに抜擢されて結果を残すなどかつての黄金期からの戦力の入れ替えは着実に進んでいるようである。
あとは経験をどう昇華させるか?にかかっているといっていいかなと。若返った一方でタイトル争いの経験が3強に比べて劣っている分をどうカバーするかが今後の課題といえる。
<ガンバ大阪>
リーグ戦お約束の失速はもういわずもがなといった感じ。新戦力を伸ばすイメージがある一方で既存戦力を冷遇しそれが最終的に足を引っ張るのが西野監督のスタイルだとしたらリーグの結果はあのような形に終わって止むを得ずといったところである。
サッカーの内容に関してはレッズ・アントラーズ以上に評価されているのにそこを結果に結び付けられない(ナビスコ・ゼロックスは制したが)のは戦力を効率よく活用できていない(用兵術の点ではオジェックとどっこい)。安田が台頭する一方で家長がシーズン通して満足に活躍できていなかったところがその象徴かなと。播戸にしてもマグノ・バレー優先主義の前に屈した感じだったし。
西野式パスサッカーはよく練られている一方で異物を許容しない部分があり、毎年のように戦力を(しかもレギュラー格)流出させてしまっている点について問題視されない点に失速の要因があるのではないか?
西の雄となってはや3年だが、次のステップつまりアジア・世界へという狙いを着実に進めていくには「レギュラーのその次」の戦力を厚くする必要があるのだが、今の施策では第二・第三の家長を出してしまうだけのような気がしてならない。
<鹿島アントラーズ>
意図した「屈み」が功を奏したシーズン。ジュビロとの圧倒的な差。それは耐えることを選択しその期間と脱出するための明確な策を用意しているかいないかの差であったといっていい。
タイトル奪還の直接的な要因は「小笠原復帰」に尽きるのだが、単に強い個が戻っただけで強くなるのならとっくに10冠は達成していた。それを下支えする人材が育ったことでムラがなくなり安定感が増しそこに個が加わった結果、タイトルが取れたのである。ここ数年のタイトル奪取チームに共通していることが結果としてだが出来たというわけである。
やっているサッカーが目に見えて変化しているわけではない。むしろ鹿島型サッカーは創設以来大きな変化があったというわけではなく、時代の流れに応じてマイナーチェンジこそしているがそれ以外で明確に「変わった」という印象は与えない。
変わらないことに対して結果が出ない時期は批判が出やすいが、一方で戦力確保においては指針がぶれないことで選手が育てやすく、即戦力を確保しやすい(現場とのミスマッチがおきにくい)という点でメリットがある。
ガンバ・レッズが変化の積み重ねでチーム強化を図ったのに対して、コツコツと地道にスタイルを継承していき潤沢な資金が投入できないマイナスをカバーしたことでTOPへと返り咲いたという点では対象的で面白い。
アジアという次のステップがこのチームにどう影響してくるか?10冠という壮大な目標を達成した「その次」をどこに設定するかによって来期の結果が変わってくるといっていいでしょう。
<Jの順位はフロントの施策への評価><明確なビジョンと強烈なる個>このブログでことあるごとにいってきた話ですが、偶発的な要素によってタイトルを得る時期はもう過ぎたといっていいでしょう。ビジョンが曖昧だったり個の力で劣ったチームは容赦なく下位に沈んでいく。
あとこれは避けようがない話だが、財力・チームとしての体力が順位に影響するようになってきた。つまりJリーグも階層分化が進んでいるということがよりはっきりとしてきた。
これはシーズンオフの戦力補強にも影響している。やはり体力があるチームが的確な施策が出来れば、体力がないチームが弄する策よりも上になってしまうというのは避けられない現実のようだ。ただ逆に言えば「明確な指針」が示せれば体力の差は乗り越えられるという事。TOP3以外はまだちょっとした要素でぐらつく部分があり、下位に沈んだチームにとってもまだ挽回の芽はあると思われる。
オフシーズン評価は別の項に回すが、今シーズンオフに神戸や京都が積極的に動いてきたのはまさにそのチャンスを掴む為の動きであると言っていいかなと。TOP3とその下の層がはっきり見えてきたのに比して下のチームの巻き返しがより面白みを増しそうそんな予感を感じさせる07シーズンだったかなと思います。

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