July 05, 2009

レッズ3-2モンテディオ(2009.7.4)~高原様々~

残念ながらTV観戦の山形戦。

苦戦を強いられてしまいました。ただ当初想定していた苦戦のイメージは「相手に守りを固められ得点が取れない」だっただけに2失点も3得点も望外の展開。

失点の要素は「ポジションバランスの悪さ」と「一部の選手の守備意識の希薄さ」にあった。両サイドを若手に託す布陣であったが彼らが山形のブロッキングの前に中途半端な対応に終始。永田は前に積極的に仕掛ける姿勢を見せたが原口との連携が乏しく、反対に右サイドの高橋は対面の石川・宮沢の連携に苦戦する一方セルの守備意識がルーズであったために1対2の数的不利の状況に陥っていた。

これに加えて相手のプレッシャーが前半は激しくマークが分散してしまい守備が落ち着かない。

若手を責める訳ではないがプレッシャーが180度に限定されるとはいえまだベテランのカバーリングがあって初めてノビノビとしたプレーが出来るという段階である一方で特にSBについては暢久以外、安定した対応が出来る選手がおらず若手に経験を積ませる(多少の粗相には目をつぶる)か補強するかの苦渋の二択をこのままだと迫られることになってしまうのかなと。

山田直輝の存在があるからルーキーでも遜色ないプレーが可能と錯覚しがちであるが実際は直輝も含めて経験の少ない若手は失点に繋がるミス・得点機を逸するミスをして「当たり前」なわけでそこを責めるのではなく思い切りよくできるような環境に変えて行く必要がある。そういった意味ではまだ既存メンバーとルーキーの真の意味での融合は図れていないのかなと。

低調な前半(部分的には支配していたが実効的ではなかった)を覆したのは1つには「もらった」PKがあるのだが、ハーフタイムに選手交代を活用してポジションバランスの悪さを見事に修正してきたこと、それと高原の復調により「決められる」ようになったことが大きい。

ハーフタイムの修正は鮮やかであった。まずボールキープとタメを作るためポンテを投入。彼の効果は絶妙で恐らく余程の展開で無い限り直輝を使うことを視野に入れていなかった指揮官の意図を察したかのように効果的なタメと散らしからチャンスを量産する。

この流れをアシストしたのが西澤で彼がグイグイと攻め込んでいったおかげで対面の石川が今度は守備に忙殺されることになる。石川のアタックとクロスが山形の生命線という事なのでそこを封殺できたのが逆転に繋がったのかなと。

ただ西澤は引いた状態の守備がいまひとつ。山形の右サイドに梃入れをしてからの出来はいまいちであった(恐らく細貝のカバーリングが利かなくなったからかなと)。

接戦を制したのは高原の存在であった。この日はエジミウソンの出来がいまひとつで得点を取るとしたらこの男しかいなかったといっていい。それぐらい存在感を放っていた。ようやくレッズのサッカーを理解してきたのかそれともフィジカルが戻ってきたのかトラップ・ターン・シュートそれとポジショニングが以前とは格段に変わってきたのが分かる。

それでいて凄いと思ったのが単にエリア内で張っているだけではなく、臨機応変にディフェンスをするために下がったり相手のボールに対して貪欲にプレッシャーを仕掛けに行くなど「今の」ストライカースタイルを踏まえたプレーがきっちりと出来るようになっていたのである。

これが今後も続くのかあるいはなぜ復調してきたのかは分からないが少なくともこの試合は高原の出来が全てでありそれでもぎ取った勝ち点3であったといえる。

攻守において課題は多い。チェンジオブペースにしても3点目を早い段階で取っていればもっと楽な展開に持っていけたはず。サイドアタックと守備のバランスの改善やフィジカルに乏しい10代プレーヤーにいつまで依存できるのかなど夏場に向けて明確に課題も出てきている。個人の出来で左右される展開を脱して組織で安定して制するようになるための課題をどう解決していくのかを今後は見守っていくべきであると再認識。

ただ成り行きに見て行くべき部分もあるが信藤TDはそろそろ補強について結論を出したほうがいいのではないだろうか?どうもこの辺がぼやけているような気がするが、経験を積ませるという事であればはっきりとその方針を提示したほうが不満は削がれると思うのだが・・・。

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June 28, 2009

レッズ2-0ヴィッセル(2009.6.27)~コンビネーションサッカー最大の壁?~

この試合の結果単独で語るよりも前節のFマリノス戦とセットとして捉えたほうがいいでしょう。

前節は言い訳無用の惨敗であったがそれは単に戦っていないというよりも今後のレッズに立ちはだかる課題が凝縮された敗戦であった。

1:高温多湿の環境下で運動量を適切にコントロールする

2:1を維持しつつ得点を奪って逃げ切る

3:ピッチを広く使ってくるチームに対してのディフェンス

4:代表勢合流・怪我人復帰が合った時の既存メンバーとの融合

1~4が課題として出てきたのがマリノス戦。再三言っているが今期のレッズは敗戦によって課題が炙り出されそれを糧に成長していくチームである。ヴィッセル戦はそのことに対しての回答が提示された試合として評価するべきだと思う。

ヴィッセル戦を通じて1~4はどうなったのか?

1→開始15分はいつも通り。得点を奪って以降は活動量を落として90分を視野に入れたサッカーをしていた

2→ベタ引きを選択せずにパス回しと動きのスピードを緩める時間を増やして対応

3→ヴィッセルは縦の展開を重視していたのでこの点については回答保留かなと。ただ前線の2人と細貝・直輝がボールホルダに対して仕掛けに行っていたのが印象的

4→坪井の怪我によって「結果的に」適材適所が確保された。ポンテの復帰、細貝・高原の好調など逆に悩みの種は増えている(まあこれは決してマイナスじゃないのだが)

全てのチームがFマリノスのようなアタックを仕掛けてくるわけではないし、「レッズの攻略法はこれだ!」っていうのを明確に示してきているわけではない(今のレッズは自分たちの出来如何で勝敗が決まっているようなところがあるので)のでヴィッセル戦の出来を持ってそれだけで判断するのは難しいのだが、フィンケ監督は少なくとも無策で行くわけでも個々の技量だけで押し切るのではなく極めて適切なアプローチを重ねることでスタイルを崩さずに乗り切ろうとしているように思う。

フロンターレ戦もそうだったが気温が高い時にいかにして乗り切るかが今後の課題になるのは明白。開始5分以内で得点が毎回奪えればいいのだが全ての試合でそうなるわけではない。スペイン代表だってバルサだって90分ずっとフル回転しているわけではない。よく走らないことを問題視する人がいるがポイントは緩急のバランスであり夏場は特にこれを意識する必要がある。

多分我々の意識もそう持っていかなきゃいけないのだが、レッズのコンビネーションサッカーは恐らく夏場の高温多湿の環境下では厳しい部分が多く時にはヴィッセル戦の中だるみの時間のようなじりじりとした展開であったり、リアリスティックにセットプレーだけで勝ち点を奪うみたいなことも受け入れざるを得ないと思う。

それは今のレッズの否定という意味ではなく、チームとしてのバランス維持の為これからの時期しばらくは起き得ることとして頭の片隅に入れておく必要があることなのかなと。指揮官は決して理想追求主義者ではなく、現実と向き合いながら1つ1つ構築していこうというタイプなので恐らくまず経験(トライ)してみて時に起き得る問題点(エラー)を炙り出して解決して1つチームを進化させるとそういう風にしていくのがいいのではないかなと。

ただじゃあ何でも成り行きに任せるのか?という疑問も出てくるが、例えばヴィッセル戦の明暗を分けたシーンとして個人的には山田直輝のミドルシュートがあったと思うのだが、彼のように攻撃のスイッチ役の存在はどんな時でも大きいし、細貝の機を見て縦に入り込む動き・原口の仕掛け・高原の足元の上手さ・エジの献身性など直輝を軸にしてその周辺をつかさどる選手が持っているがある。

今後はそれはポイントで効率的に発揮されるかにかかってくるのかなと。決定機を確実に決めるというのも明暗を分けるところになるのかな?あとここ数試合ではっきりしたのだが「バックラインのバランス」がチームの勢いを左右するようになってきた。これは4バックのサッカーが徐々に浸透してきた証だと思う。

単にオフサイドを取るといったレベルを超えて、ゲームコントロールをバックラインの位置で調整するという段階に入ってきていると思う。そう考えると闘莉王のプレースタイルを1段階押し上げていかないと彼が最も苦労している部分(闘莉王だけがややバックラインの後方のスペースを気にするあまり下げ目の位置取りを好んでいるように感じるので)によってチームバランスが崩れてしまうような気がしてならない。

この試合の勝敗は終盤の相手決定機を幸運な形で凌いだことでもたらした部分があり、必ずしも良化したとはいい難いが、先にも述べたように課題を1つ1つ消化していって前に進もうというポジティブな姿勢は十分感じられた試合であった。

夏場をどう乗り切るかはもう少し推移を見ていくべきかなと。今後はナイトゲームONLYになるのでまた違ったところが出てくるはずですし。

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June 15, 2009

レッズ6-2アルディージャ~実り多きナビスコ予選リーグ~

レッズが前回大量点を取った試合を思い出すのが困難なぐらい久しぶりの6ゴールであった(どうやら2005年の柏戦(駒場)以来らしい。思えばあのシーズン以降守備偏重の戦いに傾倒していたんだなと)。

当初ナビスコは経験の少ない若手選手が数人出てくればいいかなというぐらいで05年ベスト4敗退以降を考えると実質ターンオーバーされた戦力で予選リーグを首位通過するとは思わなかった。昨年は代表組以外はベストな状態で挑んでも敗れ若手を投入したらそれがスタメン固定のスケープゴートにされてしまう。そんな状態であった。

試合全般は集中力に欠いた時間帯があったことやアルディージャのサッカーがあまりにも愚かであった事を差し引いても納得の出来。ポゼッションを最後まで継続し、幾人かのコンビネーションでもってサイドから抉る・中央からワンツーで崩す・前線からのプレスによるショートカウンターを繰り出すなど多彩な攻めを見せていた。

レッズマガジンで島崎記者が触れていましたが、フィンケ監督の選手起用方法が1つ明らかになりましたね。それは「経験の少ない選手はサイドで起用する」プレッシャーの方向が単一で縦をまずチェックすればいいという事で1つのプレーに集中させることが出来る。濱田をサイドアタッカーのポジションで使ったのも納得。

つまりプレーに積極的に関与しやすいポジションでアタックであったり対面のプレーヤーをまず見るといったシンプルタスクを消化させることで選手の持ち味を殺さないようにしているという配慮が感じられる。そしてそれはプレッシャーのかかるセンターポジションの選手に自然と「サイドをケアせよ」というタスクを無言で与えていることにもなる。

だからセンターポジションの選手は攻守にわたって動き回る必要性が出てくるし、仕事を自分から探すというポジティブな姿勢を自然と醸成できるということにもなる。この辺のタスクバランスが絶妙だからこそチームは好循環を続けているのではないかなと。

つまりベテラン選手には自然と高いハードルを設定することで今のサッカーに集中させ、動きの質・量を高めないと起用されないという緊張感が生まれる。若手選手は直輝が代表まで行ったのだから自分だって試合に出たいという健全なエゴやあるいは閉塞感に満ちていた去年までとは違い、「頑張れば試合に使ってもらえるんだ」というこれもポジティブな姿勢が生まれることになる。

フォルカー・フィンケは戦術家・戦略家というよりも組織マネジメントに優れた指導者でありまた稀代のモチベーションコントロール術を持っているのかなと。

これで決勝トーナメントに進めたという事でまたチャンスが出てくるかもしれない。しかも今度は気を抜いたら地獄を見る一発勝負のトーナメント。駆け引きの要素も出てくるし相手の歯ごたえも変わってくる。さすがに予選終盤のようなメンバー構成にはならないと思うが、当初予想したよりも多くの若手選手の芽が出てきたことでエスパルス戦どのように仕掛けてくるか今から楽しみで仕方ありません。

また楽しみといえば来週再開のJリーグもそう。思えばギド・ブッフバルトもゲルト・エンゲルスも「選手が揃った段階でのメンバー構成」が下手くそでいつもそこでペースを落としていたし勝ち点を取りこぼしていた。フィンケがどのようなメンバー構成でやってくるのか?ナビスコであれだけ良質なサッカーを提示できたのだからなまじの状態では満足しない。

当然ながらミッドウィークにアウェーの代表戦から帰還した選手がそのまま起用できるとは限らないし、怪我人だって戻ってくる。今のレッズは各ポジションで競争状態がようやく発生した段階。監督がそれをどう健全にコントロールするのかその手法をぜひ拝見したいものです。

                                                       

一方崩壊寸前なのがアルディージャで潔く引いていた前回のダービーからその潔さが間違った方向に軌道修正され単なるやけくそサッカーになっていたのが気になる。7秒サッカーは7秒で失点するサッカーの様相を呈している。結局前線で絶え間なくプレッシングが掛けられなければ成立しないサッカーで、それは中盤とバックラインの守備意識の低さを物語っている。

腰高の印象があったが戦術としてリトリートをベースにしているわけではないようで(前回のダービーは結果として引きこもったという事なのだろう)、引いてからのカウンターでも前から仕掛けてのショートカウンターでもない、ただとにかく縦へ放り込むというだけではJ1で勝ち点を稼ぐのは難しいのではないかなと。

選手もそれに適した人材がいれば話は別だが、いつの間にかキープ力の高い選手が少なくなってしまいただドタバタと走り回る選手か得点力はそこそこあるが安定感と技術に難のある選手が大半といった感じになってしまっている。デニス・マルケスがまるで生きていない。ムラはあるが彼のキープ力と破壊的なシュート力はパワー不足の大宮には持って来いだと思うのだが今のままだと彼の才を殺してしまうだけである。

恐らくここ最近の低迷も「ダービーがあるからモチベーションも上がるしまとまりも出来るだろう」と踏んでいたのか何も策を講じてこなかったように思えるがその肝心のダービーで一矢報いたものの惨敗となってしまったことでどのように立て直すのか注目である。

個人的にはどうしてもゲルトエンゲルスを思い起こさせてしまうほどの無為の士であるチャン監督をとっとと切って守備組織構築に長けた人材を招聘するべきだと思うのだが・・・。FWにそれなりの人材はいるのだから引いてカウンターを徹底させていけば少なくとも上昇のチャンスはまだ残っていると思うが今のままでは去年までのような奇跡は期待できない。

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June 07, 2009

レッズ1-0ジュビロ~底固いベテランのプレー~

試合からだいぶ経過しましたので簡単に。

ジュビロ戦、アルビレックス戦に比べると最後にばたついた部分があったので評価としてはやや下がりますが2戦続けて苦しいメンバー構成の中で試合の中盤は圧倒的にレッズが支配していたことを考えると及第点の出来といえるでしょう。

ポイントは2点。1つはアレックスの不意の怪我で投入された永田の出来。

彼も西澤同様にフィジカルでは劣るものの、その分アグレッシブさと判断の速さでカバーしていた。ユースでのプレーを見たときに感じた印象と同じでスペースへのフォローのタイミングが良く迷いがない。加えて左足のクロスやパスの精度も比較的良いので攻撃に関していえば厚みをもたらすのにはうってつけの人材であるといえる。

ただディフェンスは仕方がないか。スペースケアなどアレックスよりも意識の高さはあったが1対1の局面で相手に圧倒される部分がありそこを終盤ジュビロに突かれていた。細貝の方がこの点では上といえる。

右:西澤、左:永田という組み合わせは非常に新鮮。4バックのポイントであるSBのアタックという点ではこの組み合わせが一番スムーズであるが一方両翼を突かれてしまうと脆さを覗かせてしまう。

ともすれば破綻する組み合わせであったのだがそれを凌げたのはベテランの腕によるところが大きい。あと前線からのチェイスであったり両ボランチの献身的なプレーもそうである。

CBの坪井・暢久は補完し合う関係を引き続き継続。安定感は下手な本職プレーヤーよりも高い。堀之内が4バックのセンターよりもアンカーとしての才を評価されていることを考えると今後も暢久センター起用はありえると踏んでいる。

後は山岸に触れないわけにはいかない。以前よりシュートストップの才能の高さと反比例してDFラインコントロールの拙さを挙げていたがここ数試合は徐々に4バックでのコントロールに慣れて来たのかプレーバランスが劇的に改善。ポジショニングもグッとよくなり見せ掛けのビックセーブだけではなくキチンと計算されたバランスでピンチの芽を摘み取ることが出来るようになっている。こういったプレーが出来るのであれば都築とのハイレベルなポジション争いは続くものと思われる。

まだ予選通過は確定ではないが、仮に予選通過が成し得なかったとしてもナビスコ予選で手に出来た収穫はかなりあるといっていいのかなと。何より若手の存在がクローズアップされているが、見逃せないのが去年ボロボロであった中堅より上のプレーヤー。彼らの自信が取り戻しつつあるところにフィンケ監督の采配の上手さが感じられる。

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May 31, 2009

レッズ2-0アルビレックス(2009.5.30)~ポジティブな勝利~

代表+怪我と苦しい台所事情は承知の上だったのですが、シーズン当初の予想に加えて直輝・元気も不在という中でどういったやりくりでほぼベストのアルビレックス(しかも前回の対戦では内容で凌駕する部分もあった)に対峙するのかが注目された試合。

直輝・元気ばかりがクローズアップされていく一方で「その次」との差が開いているという状態になりつつあっただけに、アルビ戦はまさに「その次は俺だ」という感じで若手見本市の様相に。なにしろベンチ入りメンバーを含めると<これ以上欠場者を出せないギリギリ>ということでこれで今シーズンは怪我の堤・近藤を除いて全選手ベンチ入りを経験したことになります。

さて試合ですが、躍動の若手をベテランがサポートし勝ち点をもぎ取るだけでなく内容でも進歩の跡が見られたポジティブな勝利となりました。

高橋と西澤をスタメン起用。当初は西澤をボランチ、暢久右サイド、細貝センターバックという予想でしたが直前の練習で調整があったのか(細貝と監督の話し合いが合ったようですし)経験とカバーリングセンス、そしてヘディングに強いという明確な理由をもって暢久をセンターバックで起用。

3バック時代にはCBもリベロも経験済みなのでストッパー要員と言う意味では意外性はないのですが、今期のレッズは4バック。当然3バックとの役割の差はあるわけでいきなりの起用でしかも3TOPのアルビレックス相手という事で不安は当然あったかなと。

また右サイドを守備に難のある西澤にすることで対面のベドロ・ジュニオールとの1対1にも不安が残ったわけですが結果としてこの起用がはまります。

暢久はさすがというべきか、昨年のボランチ起用では攻守の拙さが目に付いたのですが守備に専念できるCBでは坪井と絶妙な連携(言うまでもなく坪井のセンスあるカバーリングが支えになっていたという事)を披露しアルビレックスの縦の攻撃を封殺。オフサイドも結構取ったのかな?何しろレギュラー4バックでの戦い以上の出来を見せたのには驚きであった。その伏線にはきっと今週行われた「4バックでのディフェンストレーニング」も少なからず関わっているものと思われる。

西澤は得点シーン以外のプレーで言うと守備面ではやはり粗が目立った。ただ吹っ切れていたというかミスや裏を取られることで萎縮するのではなく持ち味である攻め上がりやミドルシュート(度々中央に進出してシュートを狙おうとしていたのが印象的)で勝負しようという姿勢が良い方向に向かったと思う。前半高橋と連携して何度か相手陣内に勝負をかけに行っていたし、何より対面のペドロジュニオールの緩慢なプレーの隙を突いてボールを奪い、その勢いで決めた得点は非常に鮮やかであった。

そして細貝彼がアルビ戦のMVPだと思うのだが、縦横無尽に走り回ることで直輝不在による推進力の低下を阻止しただけでなく攻撃に適切に絡むことで2アシストと結果も残した。たぶん「自分が一番やりたいポジションで結果を残す」という使命を課していたと思われる。そんなストイックな姿勢がスタンドからも伝わってくるそんなプレーを90分遂行していた。

全体の守備意識も高く(高原・エジミウソン・高橋の貢献度は高かった)、アレックスがかなりルーズな守備で穴を開けられそうになったが、気になったのはそれぐらいで相手のアタックの低調さもあったが全般好内容のサッカーであったといえる。

高橋はようやく勝利に貢献できた(彼の出場ゲームで勝ち試合が無かった)。前半は2列目で左右に顔を出してアタックに関与していく直輝のプレー。後半は右サイドバックで相手のアタックの阻止に廻る場面が多かったが破綻のないキチンとしたプレーで存在感をアピール。

個人的には梅崎・達也の復帰が遅れるようであれば、高橋・林がジョーカーとなってレッズの課題である「後半の推進力低下」のカンフル剤になればなと思っているので彼らには今後も期待を持って見ていきたい。

あと後半割と早めの時間に投入された浜田の起用法も面白かったですね。最初彼をセンターバックに入れて暢久を右サイドにするのかと思ったのですが、右サイドの上がり目の位置で起用。ここには<上手く行っている所には手をつけない><CBには経験とセンスのある選手を優先する>というフィンケ監督の哲学のようなものを感じたし、浜田という選手が「守備のクローザー」として起用可能な人材であるという事を示した采配だったのかなと。

攻撃では物足らなかったですが相手のストロングポイントであるサイドアタック封じとして機能していたと思います。だからこそアルビレックスは終盤何も出来なかったのかなと。

どうも堀之内の復帰が遅れるようなのでジュビロ戦も同じスタイルで臨む事になりそうです。若手は波があるので今回のような内容が保障されるわけではないですが、今回の欠場禍は若手にとっては最大のチャンス。

以前にも触れましたが過去の指揮官は同様のときにチャンスを与えてはいましたが、それを下支えする戦術であったり共通理解になるようなものが希薄であったために「ベストメンバー重視」の体の良いスケープゴートのような試合になるのがオチ(経験の少ない選手を使うのはリスクがあるのだよといわんばかりの惨憺たる結果に)で何度も引き合いに出しているが去年のナビスコの試合と比較するとよく分かるのかなと。

西澤がその象徴なのですが芽となって出てきている選手は確実にいます。それをどう伸ばしていくのか、推測ですがフィンケ監督はまだ若手選手の線引きはしていないと思います。戦術理解度やフィジカルの状態によって起用の順番をつけてはいますが、芽が出ていない選手にも光を当てているそんな気がします。

アルビレックスは矢野が攻守の推進役であるという事がはっきりした試合であり、今シーズンの躍進を支えていたのが実質矢野1人であるという事を露呈してしまった試合だったのかなと。外国人選手のプレーが抜けていたのが気になった。多分レッズもそうなのだが動き回って刺激を与える選手がいないとコンビネーションも運動量での貢献も意識として下がってしまうのかなと。

以前よりも層は厚くなった印象ですがチームをぐいぐい引っ張る存在がまだ足らないのかなと。前回のようなサッカーをやっていたらいくら若手が奮闘しても及ばなかったと思うのでそういった意味ではアルビレックスにとって極めて勿体無い試合であったし大きな課題であるといえるのかなと。

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May 24, 2009

レッズ1-1アルディージャ(2009.5.24)~若手の躍動と課題~

またしても勝てず。確かにあと一歩のところまで追い込んだというとこまで入ったのだが、今日の場合はアルディージャの型にはまってしまった印象があり素直には評価できる材料にはならなかった。

今日のポイントは直輝不在の中でどこまで今シーズンの象徴である「ボールのないところでの動き出し」が出来るかであったがここに関しては課題山積といったところか。

スタメンは予想通り高原を起用。4-4-2になったことでゴール前の厚みは増した印象だが反対にポジションチェンジであったり流麗なパスワークが影を潜め一方向からの単一な攻めが多くなってしまった。個々の話をすれば高原自身のプレーは悪くはない。確かに精度を欠いたプレーが散見されたが、彼自身の献身性は決してエジミウソンに引けを取ってはいなかったが周囲との連動が図れなかったところが問題だったのかなと。

アルディージャは縦に急ぐサッカーが今シーズンの持ち味。先制点がまさにその形で鮮やかに縦に流れてチャンスを作るという展開。レッズは序盤はここに戸惑っていたように感じた。

だが闘莉王が負傷したことで細貝がボランチの位置に入ってからはレッズペースに。ここはフィンケ監督の采配を評価するべきだが細貝が縦横無尽に動くいわば「直輝のプレー」をしてくれたことで他の選手がボールを持てるシーンが増えて結果チャンスが増えるという好循環が生まれる。

いい流れの中で同点ゴールを奪ったまでは良かったのだが、ここから次になかなか進めない。攻撃がノッキングしているという所まではいっていないのだが細貝であったり原口といった選手がボールのないところで駆け回ってもそれを生かすパスがなかなか出てこないのである。縦横の動きで変化をつけてもそれに反応するボールが来ないとなかなか生きない。ということで後半時間が進むにつれて徐々に相手のペースに嵌ってしまう。

アルディージャの狙いはレッズが焦れた所でのカウンターしかなかったわけで、逆に言えば相手をポゼッションで押し込めるというのは当たり前だが出来てしまう。ということは前節同様いかにして崩すかがポイントになるのだがアイデアと連動性がまだ希薄でラインを下げさせた後の崩しが上手く行かない。

高原やセル、アレックスといった選手はボールを持ちたがる傾向が強いが如何せん持っていないときの動き出しが少ない。セルはドリブルで崩させれば相手を抜けるし、アレックスはクロスの質や高原の時折見せるキープや捌きにはいいものを感じるのだが、良い時と悪い時のプレーがはっきり分かれてしまうため、また続けて同じ質のプレーができない為安定感に欠ける。

良いチャレンジはし続けてこそ意義がある。直輝や原口といった選手はそれが出来るからこそ優位に立っているわけで彼ら3人の方がいいときのプレーを見れば上なのだが、今のレッズで優位性を築けていないのは継続性に欠けるからなのかなと。

アレックスは持ちすぎてリズムを崩すシーンが何度もあった。エリア内に人数が揃っているタイミングでクロスで崩しておけばというシーンを何度かふいにしている。高原は巡り合わせが悪いと感じたシーンもあったがもう少しシュートを強引にでも打つなど相手に脅威を抱かせるプレーをしていかないとマークの的にされてしまうだけである。セルヒオはまだランが足らない。

前後半通じてチャンスはあったがもう一歩の印象が残った。多分ベストのレッズであったら決めていただろうがそれは逆に言えば底上げが足らないという事である。

底上げといえば交代で入った高橋・林のプレーは潔いという意味で好感が持てた。持って仕掛けるシーンでしか良いプレーが出来なかったのはちと残念だがそれでも「前へ」の姿勢は良かった。高橋はもう少し長い時間見たい。林は精度をもう少し上げればジョーカーとして機能するかもという感じまでは披露する事が出来ていた。

細貝・原口も含めて今後が楽しみなプレーヤーが多くでてきていることは好材料。ただいかなる状態でも今シーズンの根幹であるコンビネーションサッカーの質は一定以上のレベルで維持する必要はある。

幸いここで代表組が抜けた中で公式戦(ナビスコ)が行われる。いなくなる選手が出るわけだから例えば西澤・高橋・林・濱田あたりはチャンスが巡ってくる公算が大きいわけだし、高原にしてもアレックスにしてもセルヒオにしてもまだまだやってもらわないと困る。

ナビスコのホーム3連戦は結果以上に次のステップに向けて新生レッズの中核になりうる選手を見出すラストチャンスであるといえる。ここで1人でも出てくれば中断明けは怪我人の回復も併せてポジティブなものとなっていくはずだが、出て来ないとなると来季以降も見据えて補強を視野に入れたほうがいい。

アルディージャは完全にコンセプトチェンジしたんだなと実感。3ラインのブロッキングサッカーは完全に放棄し、縦への速攻を重視したリアクションサッカーへと変わってしまった。課題のFWに藤田や石原といった実績ある選手を持ってきたのもそうだがこれまでの大宮を担った人材を殆ど放逐した格好(唯一残った藤本も今日の存在感のなさを見ると近々他の選手にとって代わられるかなと)でまあそれを貫くのであればいいのだが、勝ち点が追いついていない現状を考えるとまたしても「残留するためのリアリティサッカー」に逆戻りする可能性もある。

縦へのカウンターを重視している割にはバックライン(特にマト)が腰高なのが引っかかる。1点を奪って凌ぐ力は弱いので前線からの追い込みなどプレッシングがどこまで維持できるかが生命線といえる。

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May 17, 2009

レッズ0-0ガンバ(2009.5.16)~フィンケ改革・セカンドステップへ~

サッカーのスタイルにおいて一段階先を越されている印象があったガンバに対して内容面と動きの質において圧倒できたという点で非常に満足度の高いドローとなった。

効率的ではないが献身的に走り回る若手のプレーを刺激因子にしてベテラン選手が的確にフォローしていく。攻撃的守備と評されるフィンケサッカーの土台の部分でもって安定感が格段に増した(カウンター対策としては他のポジションの選手がブレイクすることでケアするという意識が再徹底されたと思われる)。

その結果ポゼッションを維持できてチャンスを作るところまでは出来るようになった。これはコンビネーションサッカーのファーストステップというところだろう。

そして今のレッズはまだ全選手に戦術が浸透していないという問題点もあるが、セカンドステップに向かいつつある。次のステップはなんなのかは後述するとして、フロンターレ戦の課題を踏まえてガンバとがっぷり四つで戦うことが出来たのは今後に向けて大きな収穫であるといえる。

その中でも前半のサッカーは秀逸であった。

全ての選手が(エスクデロも含めて)

・コンパクトとバランスを維持する

・ボールのないところではスペースに向かってラン

・ファーストディフェンスを徹底する

という事が出来ていた。過密日程から解放されたのと試合の日はあまり暑くなかったことも幸いしてか直輝と元気が縦横無尽に動き回る。結果ガンバの誇る中盤でのパス回しは彼ら若手を封殺することに専念せざるを得なくなり、必然的にポゼッションを捨ててカウンターに活路を見出さざるを得ない状況に開始早々追い込まれてしまう。

エジミウソンや直輝のチャンスもあったがポイントだったのは崩しの中で次々に縦に飛び込む選手が出てきたことで、スペースが生まれたことなのかなと(DFのマーキングの意識が分散したことで出来たスペースといったほうがいい)。

エジと直輝のチャンスは後方からのパスに対してダイアゴナルに走りこんできたことでのチャンス。相手の死角をつくという意味では基本パターンのように思えるがレッズでは長らく見られなかったパターンであるといえる。

チャンスを決められなかったのは残念であったが、その後も積極的にチェックをかけて相手からボールを奪うと相手のマークが緩いところを集中攻撃。相手が奪いに来たらサイドに叩くかロングフィードでラインを下げさせるといったことができていた。

ポンテがいない中でここまで出来たというのは大きいが一方でそれを生み出しているのは他ならぬ山田直輝であるという事は明白で、言い換えればたった10試合程度でレッズの攻守のオブザーバーが変わったという事なのである。(この見解が正しいかは直輝不在の次節の戦いでどのように変化するかで分かるかなと)

後半も同様。開始早々の隙を突くというのはACLのホームでの戦いでガンバが得た収穫であるが、それを利用して1点を奪いに来るが1度チャンスがあっただけで後は不発。そして長い時間相手にポゼッションを明け渡してしまう。この辺はレアンドロ不在も大きいが、レッズのバックラインの乱れは殆ど感じられなかったし、交代選手については攻撃への関与はともかくとして守備意識だけは失っていなかったから最後までレッズのアクティブなディフェンスは崩れてなかったといえる。

ただ攻撃に関しては段々とトーンダウンしてしまう。問題点は3つある。

1:運動量が低下する場面で交代のカードを使うのだが、交代して入った選手の戦術理解度であったりあるいは動きの輪の中に上手く混ざれないといった問題で前半のようなレベルの仕掛けが出来ないこと

2:チーム全体の問題としてラストパスであったりエリア内のプレーにおいて雑さが目立つという事。つまり速い仕掛けの中に技術がまだ追いついていないということ

3:ポゼッションできている状態での仕掛けのパターンがまだ少ないこと

以上の問題がある。

ラインを形成してコンパクトな布陣とし、前目から積極的に人数をかけてチェックを掛けに行くことでポゼッションを優位にしておきそこからチャンスを生み出しかつ失点を減らす。

フィンケ監督が掲げるコンビネーションサッカーの最初の段階はここにあるのかなと。そしてそれを維持するための約束事として「運動量と攻守の切り替え」というのが徹底されていたのだと思う。

さて次のステップだがガンバ戦あれだけキープし相手のシュートを5本に抑えて大半の時間を守備に忙殺させたのだから1点を奪えば勝利できる状況であった。にもかかわらず勝てなかったのだから「内容は良くても結果が伴わない」と評されても仕方がない。

先ほど挙げた課題の中で2については現有戦力で戦う前提の今の段階では言っても仕方がないこと。1については今不在の選手が復帰するかあるいは高橋や西澤、最近ベンチ入りしていないが林といった若手選手がフィンケサッカーのエッセンスを体現することで解消される可能性は十分にある。

ということは恐らくだが、結果と得点に繋げるための方策として3の課題、つまりボールを持った状態でもっとより多くのチャンスを増やすことで得点を挙げていく、もっと質の高いサッカーをしていくという事が次のステップにおいて求められることになるのかなと。

内容と結果のジレンマは覚悟の上である。だからこそフィンケは序盤のうちで勝ち点を取れたことの優位性についてあえて語っていたのだと思う。

またこれから夏場になると気温の問題からガンバ戦のような運動量を披露するのは難しくなってくる。という事を踏まえてどれだけ雑音を発さないように耐えられるかが次のステップに向けてのポイントになってくるのかなと。

チーム戦略上の話をすればここで「補強」という課題もでてくる。現有戦力ではどうしても駒が足らないポジションがある。SBは暢久が奮闘しているから凌げているわけでまだ補完できている訳ではない。直輝が出てきたことでセントラルMFの問題は棚上げになっているが欲を言えばもう1人出てきてほしいし、何より「守備意識と得点感覚のバランスが取れた選手」が足りない(結論を言えば高原や達也が復調してくるのを待つか、ここを他の選手で補うかという事である)。

ただこの段階で安易に補強することが決してプラスになるとは限らない。フロントはここはじっくり悩むべきである。

当初の予想に反して改革のスピードが早いというのが筆者の印象。もっと色んな課題がでてきて勝ちきれない試合が多かったり手ひどくやられる試合が多いと思っていたし、ガンバ戦のようなサッカーが見られるのは秋口近くになると思っていた。

夏場をどう凌ぐかという不安材料を差っ引いてもこの感覚のズレはチーム改革においての貯金になるのかなと。この後代表選手が不在になるがそれは反対に他の選手にチャンスが出てくるという事。ここで1人でも行けるという選手が出てくることが先に挙げた課題を解消するための補強になるのかなと思います。

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May 06, 2009

レッズ3-2レイソル(2009.5.5)~過密日程を制す~

前半の出来から敗戦を覚悟していた。天候とピッチコンディションにアジャストできていない選手がおりカウンターを得意とするレイソル相手にどのようにして追い上げを図るのかが時間が経過するごとに見えなくなっていたからだ。

試合の序盤はシュートまでの流れがスムーズで、いつになく旺盛に仕掛けるシーンが多かったのでむしろ内容が良化していくのかなと思ったのですが。

~前半~

序盤の好内容と先制点でリズムを掴んだかと思ったのですが、反面この日はDFラインが不安定。それとコンディション不良からかボールが徐々に落ち着かなくなっていき相手の反撃をうけることになってしまう。

それでも被決定機は少なかったように思われるのだが、前半2つの決定機をあっさり決められてしまい劣勢に立たされてしまう。

これまでレッズの勢いを支えていた原口・直輝のコンビネーションがブレーキになってしまう。原口はFWというよりもサイドアタッカーに近いところでプレーしていたのだがフリーになれたシーン以外での効果的な動き出しが出来ていない。持ち味が死んでしまっているのがよく分かる。恐らくだが「チャンスメークの動きと前線からの守備によって本来の役割であるシュートへの意識が薄くなってしまっている」のではないかと思われる。

また直輝にしても疲労からか、パス回しであったりフォローの動きが明らかに悪くなっていることが分かる。

いくらチームの中心的存在になっているとはいっても彼らはルーキーであり、まだコンディションを一定化させたり悪いなりにそつなくプレーするといったことは出来ないわけでパフォーマンスが劣化する日が出てくるのは致し方ないと思う。

むしろこうしたときに先輩プレーヤーがいかにフォローできるかがチームの底上げには欠かせない要素なのかなと。

前半はチャンスを作ったのだが反面不安定なところを相手に突かれ、嫌な感じを残したままハーフタイムへ。

~後半~

ベンチ入りメンバーの戦術理解度という課題があるもののパワー不足のままでは逆転は不可能という事で、後半早々に高原を投入します。

高原自体の出来は評価するにはまだまだな部分が多かったが、後半ポイントになったのは「攻め方とポジショニング」にあったのかなと。

従来のレッズだと個への依存度が高かったため、いかに崩すかよりも点の取れるポイントに遮二無二一直線に仕掛けていくか一発逆転を狙った縦ポンに終始するパターンが殆どであった。分かりやすい例を言えば闘莉王のポジショニングである。彼が最前線でターゲットになるという事は的が増えるという事でもあるが反面、最前線に重石を載せることになるつまり他のFWを無力化させてしまうということでもあった。

高原の投入意義は彼が最前線のターゲットマンになること。他のプレーヤーはサイドから仕掛けることが出来るので中盤から崩して高原にボールを集められるかという所にある。ましてピッチコンディションは悪い。シュート・ロブいずれも「紛れ」が起こる要素である。

結論から言えば高原・セルの投入によって攻撃が活性化することはなかった。ただ仕掛けの質という点で言うと20本のシュートと数度の決定機をもたらした中盤でのパス回しとサイドアタックは相手にダメージとなっていたように思われる。

後半のレイソルは自陣にこもることもできず中盤でプレスをかけることも出来ていなかった。レッズの支配率の高さが優位に働いたという事であり、今シーズンやろうとしていることはビハインドの局面でも有効であることが分かったという事である。

崩すことに重きを置いた攻めにアクセントなっていたのが闘莉王のパスアタック。攻めあがって「フィニッシャー」になりたがる闘莉王が珍しく攻撃のアクセント役として散らしのパスあるいは前線へのスルーパスなどを盛んに供給していたのが印象的であった。

レイソルの狙いは点を欲しがる闘莉王が最前線に上がることで生まれるスペースを生かしたかったのだと思われるが、彼がボランチ止まりになったことで狙いが頓挫する。ラスト10分は阿部とポジションチェンジ。これが指揮官の指示なのか選手の判断なのか分からないがいずれにしてもこの施策はベストチョイスであったと思う(指揮官の指示であればフィンケの状況判断力の高さが生きたという事であり、選手の判断であれば状況を踏まえた最善策を自然と選択できたというプロフェッショナルな姿勢の発露であるという事)。

そして悪コンディションの中で失点したという事は逆もしかり。コーナーから同点に追いつくと、相手の混乱(反撃に出るべきか勝ち点1狙いか)に乗じて逆転に成功。ゴールは幸運なものであったがエリア内に多くの選手が飛び込んでいたから生まれていたわけでこれも今シーズンのアタックの変化の好例と評価するべきでしょう。

目先の結果よりも試合全体のクオリティの方が重要であるという位置付けのシーズンの為、必ずしもこの結果を喜ぶべきではないと思うが単なるプレゼントゴールと評するにはちょっと違うなという部分が特にアタックの部分で見られていたように思われる(ラスト15分ぐらいですけどね)。

選手が最後まで諦めなかったのは今やっているサッカーに自信があったからであり、また安易に放り込みに依存しなかったのは其れで勝っても意味がないという事を何よりも選手自身がきちんと理解しているからかなと。

公式戦が連続しているGW過密日程を消化できたわけだが、その集大成としてフロンターレ・ガンバという攻撃の二大巨頭とぶつかる。このホーム2連戦をどのようにクリアするか、序盤のフィンケの施策の評価についてはここを消化した時点で見えてくるのかなと思います。今のところはまだ過去の蓄積の方が上回っていますが、エッセンスは徐々に浸透していると思います。後は再三言っていますがそのエッセンスを吸収できている選手がもっと多く出てくることここに尽きるかなと。

                                                       

レイソルはフランサ依存症が深刻なのかなと。現状保有している選手で可能なことをやったという印象ですが菅沼や李といった「生かされるタイプ」の選手はフランサのようなゲームメーカーがいないと持ち味が半減してしまう。両ボランチの攻撃力の低さが課題なのかなと。

あと両SBの攻め上がりが少なかったのも問題。守備力強化の為にサイド適正のあるCBの選手を配しているようだが攻め上がりも出来ずかといって強固なバックを築けたわけでもなく中途半端な印象。ここもFC東京同様奔放さが売りのチームという印象があっただけに持ち味を自分達から放棄しているように感じてしまう。

怪我人が復帰すれば元のサッカーに戻るのかなと思いますが、石崎監督を替えてまでやりたかったことが何なのかが見えていないのが現状でありそれを見せられないままだと徐々にジリ貧になってしまうように思われる。ひとまずフランサ以外にゲームをコンダクトできる選手がまず必要ではないかなと。

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May 03, 2009

レッズ1-0アルビレックス(2009.5.2)~凌ぎあいを制したが~

アルビレックスのサッカーは強烈であった。上位に未だに残っているという表現が失礼になるぐらいといっていかなと。

ベストメンバーであればという前提だが、3TOPの攻撃力だけではなくプレッシング&ショートカウンターを駆使してポゼッションで優位に立とうとするレッズに対して常に脅威を与えることに成功。このサッカーを繰り返していけば上位進出も夢ではないはずである。相手のシュート数はわずかに6本だったがいずれも崩した中でのシュートだっただけに数以上に苦戦した印象が残った。

~前半~

ではプレッシング&ショートカウンターの相手にどうレッズが挑んだかというと、フィンケ監督が言っていたようにこれまでで最も難しい試合という事から分かるとおり、攻守において課題を残したものとなった。

入りは上々、これまでのようにパスでの崩しとファーストディフェンスを活用してチャンスを作るがそれを相手に凌がれると一転、レッズのディフェンスの薄いところを突かれてピンチを招くようになってしまう。

ポイントになったのが「前線での基点作り」でこの日はエジミウソン・原口に相手のCB+1人がケアするシーンが何度も見られたが前線でボールを保持する時間が短い、あるいはサポートに入る選手が仕掛けに行った瞬間に取られるという事が何でも起きていた。こうなると不利な状況になってしまう。

本来であればポンテ・直輝がフォローするべき局面だが、ポンテは持ち過ぎになることが多く、直輝はさすがにアルビレックスもポイントと読んだのかマークをつけて活動域を狭めるようチェックをしていた。こうなるとレッズらしい攻撃は鳴りを潜めてしまう。

~後半~

前節・前々節同様、ハーフタイムで前半の良くなかったポジション取りを微調整。後半は流動的に仕掛けることよりも本来のポジションに定位をしてそこで仕掛けていくというスタイルに変更。これが功を奏したのは攻撃面だけではなく守備もカウンターはあったが前半ほどマークがぶれてフリーにしてしまうといった問題が解消されるというメリットがあった。

完成形ではないがプレス&カウンタースタイルの相手にはこのやり方の方がいいのかな?

ただノーチャンスの原口と直輝が下がると今度は全体の活動量が低下してしまい、攻撃が膠着化してしまう。今のレッズの最大の課題はここで活動量を補填できるタイプの選手が不足しているため、どうしてもパワーダウンしてしまうのである。

新生レッズを体現している2人がいなくなってしまうと膠着してしまう点まだまだフィンケサッカーは道半ばであることが分かってしまう。

アレックスは守りを固めたアルビディフェンスを崩すためのクロッサーとして起用されているのだからポジションを離れてもらっては困るし、高原にしても前線での基点(得点以外にもマークを分散させる効果はある)になって欲しいのだが動いてしまうために、同じくサイドに流れたがるエジミウソンとマイナスの波及効果となってしまっているのは相変わらず。

マルシオ・リシャルデスがいなくなった時点でポゼッションは保障されたようなもの。後は如何に崩していくかに焦点が当てられているわけで、幸い今シーズンのレッズはサイドアタックまでの崩しのスピードが上がっているだけに途中交替の選手はもっと役割を全うするようにして欲しい。でなければもっと動いてかき回すぐらいのプレーをしないとレギュラー奪還は程遠い。

最後はボディーブローのようにハイボールで攻め切った執念が姑息に時間を稼いでまで勝ち点を奪おうとした相手の執念を上回った結果となったが、スタイルを完遂できなかったことで若干の不安を残す試合となってしまった。

ここ数試合ではっきり分かったがスタメン以外の選手への戦術浸透度はまだ低い状態のままである。多分ナビスコでメンバーが入れ替わるとまた違ってくると思われるのだが、各個人の特性を踏まえて指揮官は采配をしている筈だから、どの選手にもチャンスはきっと来ると思うが浸透率が悪いと固定化したくない指揮官の思惑に反して従来と同じ展開となってしまう危険性もある。

特に若手には奮起して欲しい。今が最大のチャンスだと思う。

                                                       

アルビレックスは前述の通りかなり質の高いサッカーを仕掛けられるようになったのは正直意外であった。プレッシングのイメージがなかっただけに徹底された動き出しのよさは感心せざるを得ない。ただこちらもサブメンバーとの質の格差があるように思われる。苦手のアウェーでも伍して戦える武器を手にした今、ベストメンバー以外でも十分戦えるようになれば上位定着も決して絵空事ではないわけでレッズ同様こちらも底上げが今後の課題といえそうである。

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April 30, 2009

レッズ2-2エスパルス(2009.4.29)~下を向くような試合じゃない~

エキサイティングな試合。たぶん客観的に見た人が一番喜ぶような試合だったのかなと。消耗戦になり終了の笛と共に倒れこむ選手多数。過密日程だから次のことも考えてなどという選手がいなかったことを示している。それだけ密度の濃い試合だったという事である。

データによればレッズの支配率は61%。ボールをキープすることでチャンスを増やしディフェンスを強固にするという09年版レッズスタイルを体現した一方、ボールを保持することを優先してしまったためにチャンスをミスミスふいにしてしまい、3-1と突き放すチャンスを逃してしまったという印象もある。

ただいずれにしても勿体無い引き分けではあるが、この試合でレッズが示した内容は誇るべきものであり引いた相手であってもマイボールをキープしサイドを基点に執拗に崩していくことがポイントであるという事が分かったという点で価値ある試合だったといえる。

~前半~

エスパルスは明らかにレッズを意識したスタメン。自分から仕掛けられる原とレッズのDFがどうしてもつられてしまうヨンセンの組み合わせ。考えられる中で一番厄介な組み合わせ。そしてご丁寧にマルコス・パウロを起用してトレスボランチを形成と先のことを考えず眼前の相手に万全を尽くす体制。

レッズは前節同様受け流すところからスタートする。スタートから仕掛けていくシーンが少なく構えてボールを回しながらエンジンをかけるイメージの為、相手が先に仕掛けてくるとどうしても受けて経ってしまう。それが失点に繋がってしまった。

ヨンセンがボールを欲しがる癖があるため前線に厚みがない。だから相手のボールホルダーにチェックを入れればまず失点しないだろうと思ったのだが、唯一仕掛けることが出来る原に対しての応対だけは頂けなかった。PK献上。

とはいえ崩されたわけではない。その後は持ち直す。だがこの試合も崩す段階までは問題ないのだがラストパスの時点で精度がガクッと落ちてしまう。この為カウンターを警戒したいという心理が働いたのかバイタルエリア近辺に来るとボールを回して崩しどころを見極めるというシーンが続く。

相手は実質7人でブロックを形成しているので余程のことがない限り数的優位を生かした攻めが出来ない。厳しいなあーなどと思っていたらエスパルスの中盤にミス発生。そこを逃さず繋いで繋いでポンテの同点ゴールまで結びつける。

阿部の上がりが利いている。この試合前半は原口がサイドスペースへ逃げるシーンが多かったので中央のスペースに対して中盤の選手がフォローに行かなければいけないのだが、阿部がこの辺上手く察している感じがする。後は彼にシュートイメージが戻ってくればジェフ時代に見せた脅威を発揮させることが出来るのではないかなと(終盤は明らかに上がるので精一杯というぐらい疲弊していたのが気になったが)。

~後半~

相手の切り札投入までに点を取っておきたいと思ったが、早々に岡崎を入れてレッズに主導権を明け渡さない。と思ったがそこで手にした2・3のチャンスを逸した後はレッズペースで進む。とにかくボール回しが格段に向上している。しかもショートばかりではなく逆サイドへのサイドチェンジも活用しながら相手をジワリと追い詰めていく。シュートの意識が若干低いのが気になるが各選手の距離感も適切で、しかも切り替え後のフォローも万全だから後ろ髪を惹かれるような中途半端なプレーが少ない。

ただここでも前半同様の問題が頭をもたげる。スペースがないけどボールを渡したくない。だから回すというのは分かるが、ミドルシュートなどで変化をつけないとこじ開けるまでには至らない。

直輝のゴールシーンはそんな中数少ない「崩した」ところから発生したゴール。それにしても直輝は落ち着いていた。あの中でやるべきことを常にイメージしているからこそなんだろうなあー。そう考えるとベンチ組のプレーはまだその域に至っていないのがよく分かる。

もう1つのレッズの問題点は「決められる」選手が少ないことにある。スタメンとベンチで徐々に運動量やフィンケサッカーのオーダーの消化具合に差が出来始めている。それと同時に有利な局面でさらにかき回せる存在がいないことに気がつく。達也や梅崎がいればとにかく持った瞬間ピッチを駆け回り、相手ボールになったら瞬時に切り替えてプレスしてくれる。そういう選手がいないともどかしい状況をしっかり勝ちに繋げることは難しい。

でも上記に挙げた問題点はもっと先の段階で出てくるものかなと思ったもので、ボール回し・ディフェンスの集中力・ポジショニングなど破綻していると感じさせるものは何一つなく、最後はエスパルスの執念と永井に敬意を払いすぎた部分があったのでやられてしまったが、その後の反撃の鮮やかさ(後一歩だったと思う)を考えれば十分な出来だったと思う。

現状ではあと1人ないし2人、現状のサッカーのツボをしっかり掴んでそれを体現できる選手が出てきて欲しい。そうすればもっと楽な展開になるはずである。

                                                       

エスパルスは対レッズ戦ということで打った様々な策が功を奏した一方、その結果が勝ち点1では労力に対する効果が乏しかった(これで勢いが付けば意味が出てくるとは思いますが)。それとこの集中が次節以降も継続するかがポイントになる。

前半少々と後半35分過ぎの崩しは見事であったが、それ以外の時間は耐え凌ぐだけで、かつての良さが消えているのが引っかかる。もっと中盤が躍動し両サイドがガンガン上がって仕掛けていくイメージがあったのだがその躍動感が減退しているのが成績に繋がっているのかなと。ヨンセンの使い方は今日の試合が一番良かったとは思いますが。

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