May 08, 2011

いかんですな

久々の更新です。

このブログを開始したのが04年のオフ。そこからレッズはタイトルを取ったりその後の紆余曲折を経て改革期=屈む時期に突入しました。

昨年までの低迷はかつてのようなどん底の状態ではなく、チームが今後世代交代を進めていきながら新しいスタイルを築いていくための過渡期としての低迷なので少なくとも降格の心配は無かったです。ところが今シーズンはまだ始まったばかりにも関わらず早くも危機的状況にあると見ています。

GW3連戦の敗戦はかなり重たいです。

1:戦術・戦略に早くも対策が講じられているにもかかわらず打開策が見出せていない

2:指揮官の理想と現有戦力のミスマッチが起きている

3:夏場の連戦に突入していないのにフィジカルコンディションに難がある

この3つですが、一番大きいのは指揮官のビジョンの危うさとマネジメントの拙さ。レイソル戦は相手指揮官・ネルシーニョが入念に準備してきたことが勝因に繋がっただけによりペトロビッチ監督の経験の浅さと応用力の無さが浮き彫りになっていた。

今シーズンのレッズの戦い方はいわゆるオランダ式のウイングサッカーで、1対1の勝負に勝つことを前提にして前から仕掛けるサッカーを良しとしている。がこのサッカーはパス精度とドリブル精度が高くないと個々の勝負で後手を踏み攻撃がままならない。ポジションが基本固定されているので変化がつけにくくボールを持った選手はミスも許されないし対面する選手との勝負に勝たないといけない。

Jの大半のチームは相手のストロングポイントをいかにして潰すかに焦点を置いているので大抵のケースレッズのウイングに対して相手のSBとCBもしくはボランチの片割れがケアし1対2になることが多い。レッズのSBが上がってフォローするケースもあるのですが、連動性が無くスペースがあるのにワンツーで時間をかけてしまうか単騎で撃墜されてしまう。またクロスに繋がったとしても時間をかけてのクロスなので相手に読まれてしまう。ポジション取りも悪いので余程奇跡的に繋がらない限りクロスからの得点は絶望的。

今のレッズは確かにドリブル勝負を好む選手が多いので、選手の特徴に適合した戦術であるように思えるのですが現代サッカーでドリブルだけで勝負が決まるケースはまれ(それこそメッシ・Cロナウドクラスでないと成立しない)で大抵はドリブラーが躍動できるよう周囲の動き出しで相手を釣るなど連動した仕掛けがないと勝ち目が無い。

指揮官の理想は分かるのですが、レッズの現有戦力でイメージにマッチするのはウイングの部分だけでそこに適切にボールを供給するための仕掛け作りが全く為されておらず、しかも打開しようと一部の選手にかなり無理な状況を強いているために本来やりたいこと・その選手が持ち味としていることを生かすことが出来ていない。

名古屋戦はかなりいい攻撃イメージのサッカーが出来ていたのですが恐らく長期の中断期間があったために対名古屋の対策を長期間に渡って取り組めたことが大きいのかなと。選手間のイメージもあの試合だけはすり合っていた。ところが相手が変わり対策が講じられるとあっという間にイメージが合わなくなる。スカウティングが落とし込めていないし、そもそも自分たちのスタイルも共有できているようには感じられない。

攻撃戦術も宜しくない状況ですが特に酷いのはディフェンス。ここが全くケアできていない。プレシーズンの頃から不用意な失点(セットプレーのマークミス、相手のサイドアタックやカウンターに対してのマークがルーズであることによる失点)が多い。

選手間の距離がここ数年のレッズのサッカーの中でも極端に離れている。ギド・オジェック・エンゲルスはリトリートをベースにしていたので全般的に引き気味のライン取りであったがコンパクトさを保っていた。フィンケは逆のアプローチでライン設定を高めにしてコンパクトを維持するやり方を採用していた。いずれにしても詰まっていることが前提であった。

ところが今シーズンのレッズを見ていると選手間の距離がやたらいびつで離れている。CBはいいとしてSBとボランチ(アンカー)であったり前線と最終ラインの距離がやたら離れているので選手個々の負担がものすごくデカイ。さらにCB2人はおそらく指示によるものだと思うのだがポジションをブレイクせず張っているだけのシーンが目立つ。だからバイタルエリアで相手がフリーの状況であったりSBがオーバーラップした裏を突かれているのにケアできないというのを何度も目にする。今の失点数で済んでいるのが不思議なぐらいに。

攻撃的サッカーを標榜してその代償であるならば分かるのですが、どう見ても未整備なディフェンスをそのまま放置してしまっているのは納得がいかない。しかも確固たる守備戦術を構築するふしも見られない。

「スタイルを変えない」といった矢先の大敗で足元がぐらついている状況だが、指揮官の言うスタイルが果たして今のJリーグで、今のレッズの戦力でそもそも達成しえるものなのか怪しいものがある。変えずにぶれずにやることで目的地に達成できるのであればいいのだが、地図が間違っていて全然違う目的地にたどり着いてしまったらシャレにはならない。

そもそもこうなったのはJリーグ上位チームのある意味ではお約束である「ビジョンの構築」が全くなされないまま、フロント・指揮官・選手の思惑がすれ違っていることにあると思う。

・タイトル奪還と観客動員増を同時に達成しようとして無茶な目標設定を掲げているにもかかわらず、肝心の指揮官選定で手を抜いてしまったフロント

・信念だけで動いてしまい、マネジメントの部分で青さを見せる指揮官

・ベースが無い中で個々の力だけで何とかしようとする選手

一体感が醸成出来ないまま、「こんなはずじゃないんだ」という思いを抱いて突き進むのは極めて危険な兆候。過去J2に降格したチームは戦力で他よりも明らかに劣っているか状況に適合しない施策を遂行し続けていたところが大半。直近だとFC東京やそれこそレイソルがそう。ポテンシャルがあるにもかかわらず上手く生かせないままシーズン終盤に突入し尻に火がつくというケースが多いです。

99年のレッズも同様でした。あの時は怪我人の多さもありましたが指揮官交代の時期を誤り、また補強のタイミングもとにかくあらゆる策が裏目に出たことで土壇場になるまで一体感が作れなかったというのが降格の要因でした。

今シーズンはあの時に近い状況に追い込まれようとしています。序盤で勝てない時期が出てきていますがそれを上手く危機感に結び付けて勝つための策を講じないといけないところまで追い込まれていると感じています。

フロントは「指揮官交代=自分たちも腹を切る」という状態なので指揮官が辞任を申し出ない限りは鉈を振るえない。指揮官はレッズOBということで采配を振るうことに生きがい・充実感を持って臨んでいるから簡単に辞めるとは言わない。サポーター、特にゴール裏は前任者と違い気持ちの部分で共感出来ているから安易にブーイングを飛ばせずプレッシャーも掛けられない。

すぐさま状況改善するのは厳しい状況かなと。もちろんペトロが戦術・戦略を現実路線に転換し最適な環境を構築できればレッドゾーンの突入は避けられると思いますが、どこで舵を切り替えることが出来るかがポイントになるような気がします。ホームでの試合がこれから続いていきますが頑迷に今のやり方に拘ってホームアドバンテージを活かせないのであれば腹を括る必要があるかなと思っています。

これが杞憂に終わることを節に祈るばかりです。。。

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January 09, 2011

2010年シーズンを総括

今さら感はあるが2010年のレッズを簡単にではあるが総括しておきたいと思う。

~はじめに~

総括といえばオフィシャルHPに総括が掲載されていたが、あれは役所と同じで当たり障りの無い内容を極力当たり障り無い言葉で記すしか術がないことが前提にあるわけで記載されていることに目新しさは無い。最低限のことを記せば言質を取られても痛みは無いわけで、サポーターとしても総括に何かを見出すことは期待しても仕方がないといえる。

~では個人的にはどう思ったのか?~

2010年シーズンは先シーズンに蒔いた種を発芽させ成長させることが目的のシーズンであったと思っている。その観点で言うと

・基本戦術で4バック、パスを基点とした攻撃は形になった(もう3バックの方が良かったという話が起きなくなったことはレッズ史上最大の変化ともいえる)

・一段階上の課題が発生しそれに向けてのアプローチが必要であることがわかった

・中長期視点で考えるとタイトル獲得よりも、先々を支える人材が出てくるようになった

以上の点で成功であったといえる。

が、当初の目標設定がACL出場であった点を考えると結果的には失敗のシーズンであったという事になる。

1つ言えるのはチームの現状と現場指揮官の思惑とサポーター(顧客)の期待が全てちぐはぐの状況の中クラブがサポーターにおもねった目標設定をしていた時点でやはり無理があったという事である。

チームは2・3年スパンで変化していくわけだが、長い目で見れば良い部分も悪い部分も継承されていくわけで継承していく中で1つスタイルを変えようと意気込んでいた。その思いがたった2年間で変質してしまい「結果」という分かりやすい指標でしか評価されなかったのは損失であるといえる。

願わくばこの2年で身につけたことを選手達が昇華させて結果も内容も良化させて欲しいと思うのだが、それは新指揮官及びクラブ側がどのようにしてチームを構築していくかというビジョンがすり合ってこそ成立する話である。

今シーズン最大の収穫はレッズの根本的な問題として体制上中長期スパンでの組織改革が難しい土壌にある。それが明らかになったことではないのかなと。

~チームはどうだったのか?~

確かに言えるのは開幕から中断までと夏場~秋口にかけて負けなかった時期があり、その時期のサッカーは内容が良かったという事である。

ポイントはCMFの充実にあり、前半は阿部・細貝、後半は柏木・細貝という組み合わせを軸に攻守の歯車ががちっとかみ合ったことで安定感を生んだことにある。

CMFが現代サッカーの核であることからその出来不出来がチームの趨勢を左右したのは仕方が無いといえるが、個人的にはこのポジションの層の薄さが成績の低迷に繋がったと見ている。阿部の海外移籍が想定内だとしたら早い段階で手が打てなかったのかマネジメントに疑問が残る。

この点についてはフィンケ監督も見通しが甘かったといわざるを得ない。恐らく山田直輝や柏木の存在があったから補強を訴えなかったと思われるが、直輝が怪我をした時点で阿部の去就も含めて危うい状況であったわけでCMFについて特定個人への依存から抜け出せなかったのが痛恨であった。

もう1点はサヌが最後までフィットしなかったことかなと。個人的には彼が身体能力を発揮して「攻撃面で」貢献してくれるものだと思っていたのだが、スクランブルで機能した左SBが主戦場となってしまい1枠の外国人枠を有効利用できなかった。

推測だが左SB宇賀神が怪我無くフル稼働し、バックアッパーとして堤が機能していればサヌの主戦場はもう1列前になっていた可能性がある。工事現場と称される左SBがはまらなかったのも痛手であったし、直輝や達也・梅崎の怪我が中盤の構想を狂わせたことも大きかった。

4バックはスピラノビッチが個としては素材の高さを見せてくれたが年間通して稼動できなかった。にもかかわらず決定的な破綻に至らなかったのはベテラン勢の貢献によるところが大きい。ここもそうだが怪我を理由にスタメンが固定できなかったこと、戦術理解度の低い選手が置いていかれてしまったことも安定感の欠如に繋がってしまった。

~2011シーズンに向けて~

クラブの施策がそのチームの明暗を分けるという持論から考えると、クラブ側の思惑と現場の思惑が乖離ししかもその現場も猫の目布陣を余儀なくされ、理想系とは程遠い状況を強いられていたわけだがそれでも一定の結果を残し、09シーズンとは違いチーム内の不協和音が最小限に抑えられたのは指揮官フィンケのマネジメントの巧みさであり、選手個々の頑張りも評価すべきであると思う。

攻撃面を中心に課題は多いが、スクラップ&ビルドを行う必要性は今のところ感じられない。新指揮官は継承するのか肉付けするのか再び一旦壊すのかは分からないが4バック&パスでゲームをコントロールするという部分は是非継続して欲しいものである。

レッズの課題は効率の悪さにある。

・被シュート数が少ないのにそれなりに失点してしまう

・クロスの数/CKの数が圧倒的に多いのにそれを点に結び付けられない

・ポゼッション率と勝率が比例しない

という点は改善事項である。とりわけ物足りなさを覚えた攻撃をどう改善するのかがポイントなのかなと。

・安定感のあるCB(スピラ残留・永田補強で戦力面はカバー)

・細貝も抜けてしまったCMFの人材補充(将来性を考えると青山・濱田・小島の3人のうち1人はレギュラー起用して欲しいが)

・アタッカーの補充(点の取れる1.5列目/2列目がいない。マルシオ・リシャルデスがどれだけフィットするかがポイントに)

・ポストワーカーの不在(前線での安定したボール回しが出来ればチャンスはもっと多くなる。個人的にはここを補強して欲しい)

選手の入れ替えは恐らくあと1・2人の補強で完了すると思われるが、諸々の問題点の内クラブはどこを問題視しているのかはラスト1枠の外国人枠をどこに充てるかで見えてくるのかなと。

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October 31, 2010

浦和0-1山形~新生レッズの道険し~

ジュビロ戦の敗戦も痛かったがまだ下を向く必要が無かった。しかし未熟な若いチームの課題を抱えたまま挑んだモンテディオ戦の敗戦は今のレッズに足らないものを突きつけられた感がありしかも目標達成が遠のく結果となり痛恨の極みとなった。

前半はまだ前線のポストワークを基点に選手が走るシーンが多かったのでそれほど不安視していなかったが同サイドに偏った攻めに相手が慣れてくると次第に人垣のように固めるディフェンスラインに明らかに手を焼き始めボールを不要に保持するシーンやドリブルに固執するシーンが目立つ。

スペースが無いのにドリブルでゴリゴリと崩してもそれがマラドーナ・メッシクラスでなければ容易には崩せない。にも関わらず単騎で仕掛けていって阻まれるシーンが目立つ学習能力の乏しい攻めばかりとなった。

勝利が絶対条件だがせめてスコアレスであればと思ったがやらなくてもいい失点をまんまと相手に献上するハメになり最悪の結果に。

この試合だけ切り取ると最悪の一言に尽きるのだが、これまでの流れも踏まえるとレッズは攻守において一段階進化しているところは示せた。ただジュビロ戦のようなミスが目立つ展開やモンテディオ戦のように一筋縄ではいかないときにスイッチを切り替える選手がまだ足らない。

ポンテ・直輝・達也などスイッチを入れることを得意とする選手がいないこともそうだし、高さや正確なキックなどどんな条件でもぶれない要素に乏しいことも課題に挙げられる。ACLへのチャンスはまだ当然ながら残っているがそろそろ来期に向けて課題の洗い上げ&総括の時期に入りつつある。

指揮官の続投が危ぶまれるのが一番サポートするものとして悔しいのだが、目標達成に向けては決定的に足らないものがあるのも事実。育成・成長をベースとしながらもそのスピードを後押しするものあるいは苦しい局面をブレイクスルーできる人材がいないと現状と結果のギャップはなかなか埋まらないという感じがする。

かつてオフトが采配していた時も同様に決定的に足らない要素が出ていた。それに対し選手を補強し、指揮官も切り替える大鉈を振るった促成栽培的な改革が断行されたのが03年→04年。その時と同種の施策を採るのかあるいは何か別の策を講じるのかはたまたこのまま凌ぎ続けるのか?

観客動員の減少という新たなプレッシャー要因が出てきた中でどのようにコントロールするのか社長・GMの判断が重要になってくる(11月末までに来季の道筋をつけるといっているが正直遅い気がするのだが。。。)。

現場の話をすれば前線2人(セル・エジ)の出来の悪さをどのような形で改良するのかがポイントかなと。エジは連動的に動ける選手がいないと孤立することが分かったし、セルは先発ではなくやはり相手が疲弊した状況でこそ持ち味を発揮する選手。ポンテ・達也が怪我、宇賀神・高橋・梅崎がコンスタントに起用できないなど状況が悪いのは分かっているが各選手がもう少し奮起しないと今の路線にピリオドを打たざるを得ない。

やっていることは間違っていないのに結果が出ないがために軌道修正させられるほどむなしいことは無い。まだ終わっていないが現状の問題点を整理した上で挑まないといけないのだが選手個々は今のレッズをどう捉えているのだろうか?

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October 18, 2010

浦和2-0C大阪~連動した守備戦術~

8月から負け無しで突き進み、徐々にスタイルが形になりつつある一方で上位相手に勝ち点を稼いでいない点を訝しく思っている人もまだまだいる為手探り状態のまま10月シリーズに突入しているレッズ。

勝ち点差を考えると上位進出の為には確実に「勝ち」に行かなければいけない。セレッソは春先の戦いでは接戦(というよりミス合戦)を制しているがメンバーも戦い方も変わって上位にいるチーム。レッズがどこまで伸びたのかを試すには持って来いの相手であった。

結果はレッズの完勝。確かに押されていた時間はあったが(その理由は後述)、守備面において相手を凌駕。攻撃もかつてのような個人技でこじ開けるというよりも選手の連動した動きも入っており文句の無いもの。

何より今シーズンの目標達成の為には上位との差を詰めておく必要があり先へのモチベーションを高める意味では勝つことが何より重要であった。

<守備戦術の向上>

レッズがはっきりと変わったと感じ取れるのは守備の部分にある。これまでは3バックシステムの名残からCBのパワー・スキルで奪い取るかリトリートしてバックラインのスペースをふさいだ状態で安定感を高めるかのどちらかであったが、今のレッズはバックラインのコントロールを基点に局面に応じた守備ができるようになってきている。

基本的には前線からのチェイシングから中盤・サイドバックと網をかけるようにディフェンスしていくのだが、セレッソ戦の中盤ぐらいからは徐々にバックラインを後ろ目にコントロールし中盤のスペースを潰しにかかる。何よりセレッソの連動性を削いだのである。

この試合一番脅威だったのが1.5列目トリオ(乾・家長・清武)の連動性・飛び込みにより劣勢を強いられることであった。

徹底した守備意識の高さから発生するボール狩りと個人だけではなく複数で連動してスペースを詰めていくことにより1.5列目トリオは徐々に後退し動きが寸断されていったのである。セットプレーやミドルでピンチを招いた部分はあったが被決定機が少なかったのは守備組織網が機能していたからに他ならない。

それでも試合の主導権を握れなかったのは本来のレッズでは望んでいない展開。その原因を招いてしまったのが達也に代わって入った高崎とエジで、彼らがボールを保持できない為に徐々にキープする時間が短くなってしまい相手に主導権を渡してしまう。

セレッソの攻撃のオーガナイザーであるマルチネスを自由にしていた時間はレッズは思うようにいかなかった。サイドスペースを常にケアしていたため大事には至らなかったが失点していたら彼へのマークが甘かったことをもっと追及されても仕方が無かった。

高崎の投入は確かにスクランブルであったが彼がチームコンセプトを理解しているのであればまず為すべきはマルチネスへのケアであり前線で張っていることではなかったはずである。

さらに左SBサヌのコンディションが不十分な為かセレッソの右サイドアタックをマトモに食らってしまう。原口が対面の高橋をケアしていたためにこちらも大事には至らなかったがここも問題であった。

今のレッズは個力に頼らない方法を採用しているので逆に言うと粗が目立つ個はより粗が目立ってしまう。この試合サヌ・高崎の評価は低いところが多いが誰が見ても彼らの違和感のある動きは明らかであった。

<原口の覚醒?>

流れを打破したのは2つの交代であった。サヌの交代は怪我によるものなので結果論だがアドリアーノのなんでもない1対1を止められずあわやPKという場面になったところでいずれにしても交代が適切であったと思う。高崎の交代も流れで言えば当然でその後に入ってきた堀之内が当たり前のようにマルチネスをマークし細貝・柏木を前に押し出すようにプレーしていたことからも「分かっている選手とそうでない選手」との差は決定的に大きくなっていることがわかる。

原口も以前までであれば分かっていない選手に数えられていたが、様々な状況(U-19の敗退・怪我人多数で「自分がやらなければいけない」という自覚)が変化を促したのかこの試合の原口は攻守に輝きを放っていた。

守備に奔走しチームに貢献すれば自分にチャンスが来る。その流れはごく自然なものであった。原口の得点シーンを振り返るとドリブルからの切り込みの素晴らしさだけでなく、スペースに向かって走りこむ選手(宇賀神・柏木・細貝が確認できました)の存在も大きい。チームに貢献し局面によって他の選手へのサポートを怠らなければ自分のチャンスにも返ってくる。今のレッズのいいムードが現れたゴールシーンであった(1点目も原口・高橋の献身的プレーがきっかけになっている)。

これを期に覚醒してくれることを期待したい。

まだ自力での目標達成には至っていないがこのまま負けなしで進んでいけば必ず3位への道は開けてくる。課題も多いが勝ち点を積み上げることに集中して欲しいなと。

<選手寸評>

山岸・・・アマラウのヘッドを弾いたところがポストなど運も味方している部分もあったが総じて安定した出来でした

平川・・・ディフェンス面で変わらずの奮闘。高橋との連動性は徐々に上がっているように感じられる

暢久・・・マークするのが難しいように思えるアドリアーノを完封。ビルドアップとディフェンスにと多大なる貢献

坪井・・・相手が1TOPシステムの時のマーキングは難しいが、役割を全う。暢久との関係が良好なのは4バックの時にありがちな「門」のディフェンス(中央を破られてしまう)になるシーンが皆無なことからも分かる

サヌ・・・1対1に苦慮。持ち味の攻め上がりも見せることができずバックラインに負担をかけてしまった。相手のSBの攻め上がりが少なかったことが救いであった

細貝・・・ミスをものともせず奪いに行く姿勢は良かった。代表では1ボランチで苦労していたが良質な相方がいると持ち味を発揮する

柏木・・・後半何度かあった攻め上がりではシュートを打って欲しかったが、ピッチを駆け回る姿を見れば安易には批判できないか

高橋・・・1点目は2つの奪いに行くプレーが功を奏した。動きの質の高さは右ウイングの方が適しているか?

達也・・・残念ながら負傷交代。だがそこまでの献身的なプレーが勝利に結びついた

原口・・・MVP。ゴールだけではなくバックラインまで下がって1対1をきっちりこなしていたことが大きかった。これでツボを掴んでくれるといいのだが

エジ・・・1得点と献身的なプレーで勝利に貢献したが、欲を言えば苦しい場面でもう少しキープを考えて欲しい。FWのボール保持時間が短いとどうしてもチームが劣勢になってしまう

高崎・・・競れない・走れないでは批判を浴びてしまうのも道理。多分得点に絡むプレーをしたいのだろうが、その為にはもっと献身的に動かなければいけない

宇賀神・・・怪我明けの為試運転状態であったが、それでも左サイドの問題を改善し原口の得点のきっかけを作った

堀之内・・・何をすべきか分かっているプレーをしているからこの選手が常にベンチに居続けるのであろう。マルチネスへの徹底マークで追加点へのきっかけ作りとその後の反撃を抑えをやってのける

フィンケ監督・・・達也→高崎は結果選択ミスであったが他の選択肢が無かったので(梅崎が早くTOPフォームになってくれれば)仕方が無いとも言える。堀之内の投入タイミングと交代相手は至極妥当でリカバリーに成功した

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October 13, 2010

浦和2-0徳島~雑感~

試合から日数が経過したので雑感形式で。カップ戦なので結果第一ですが内容は低調でした。

・低調の原因は相手の出方が分からない中で戦い方を慎重に模索していた部分もあったが何より2TOPの動きが悪すぎた

・エジ、高崎共に走り込みが少なくかつポストワークも決していいとは言えず収まりが悪い。ボールキープができない為支配できず主導権も握りきれず。。。

・柏木、濱田のセンターハーフコンビは悪くなかったが濱田は縦への動き出しが少ないためチーム全体を躍動させるには至らず

・駒場のピッチはフィンケ監督が言うほど悪くなく劇的に改善されたように見えるがそれは芝だけでピッチとしては相変わらずぼこぼことした部分がありゴロパスが容赦なくショートバウンドする

・この為パスが思うように繋がらないこれも低調の原因になっていた

・1点救いだったのは徳島先制のチャンスであった平繁のシュートミスを誘ったのはショートバウンドしたゴロパスが原因

・主審の視野の狭いジャッジングが場内の苛立ちを誘う。その苛立ちが選手に向けられたと思ったのだろうが、エキサイト→前線が躍動→PK獲得という思わぬ展開に

・2点目は結果はオウンゴールであったが組み立ては見事。サイドへの散らしとワンタッチパスが効果的に相手の混乱を誘っていた

・若手選手の出来が全体的にいまひとつ。後半は期待したような展開にはならず。

・堀之内投入。いつものポジションではなく右サイドバックで使ったのはPSMの意趣返しのようだが実際は高橋を活かせるポジションである右サイドハーフに移すための苦肉の策。

・この交代が全てを物語る。やはり出場機会の少ない選手は戦術浸透度が極端に悪いのだなと

・ということで走らない若手を支えるべきはベテランという事で、この日は柏木+ベテラン選手の働きに助けられた

・2TOPは問題多数。流れで決められないのなら走って活性化させるなり何かしらの策を講じて欲しかった

<選手寸評>

山岸:危なげないシーン無し。2・3ミドルを止めたが正対でセーブ。バックラインとのバランスも良好であった

高橋:右SBでは珍しく消極的なプレーが多かった。やはり怪我の影響か。前線に入ってからは躍動できていた

暢久:この試合のMVP。競り負けは殆ど無く相手をシャットアウト。改めて彼の能力の高さを思い知る

坪井:前線への攻め上がりでスタジアムを沸かせるプロのプレー。本職のDFでは若干裏狙いの津田の動きに釣られる場面もあったが破綻無くシャットアウト

平川:どこでも無難にこなすという事がいかに大変なことかを知った試合。平川の存在も段々貴重になってくる

柏木:この日は動けど周りと波長が合わず。濱田をサポートするプレーを期待したがそこまでの余裕は無かったか

濱田:総じて言えば無難なのだが、そんなレベルで落ち着いて欲しくはない。場合によってはリーグで使える存在だが武器が無い。運動量で落ちるのであれば高さを活かして欲しい

達也:2得点に絡む。交代は痛かったがそれまでの動きは抜群であった

原口:達也ほどとは言わないが、相手がリトリートしている時の動き出しを工夫しないと相手に対策を講じられた時に何も出来なくなってしまう。2点目のダイレクトプレーの判断は流石

高崎:確かに競り合いや縦への抜け出しなど持っているものはあることは分かるが、活かしきれないのは非常に勿体無い。身体能力だけで飯が食えるほどレッズのサッカーは甘くはない

エジ:やはり彼は周りによって活かされるタイプのFWなのだなと実感する。相手が格下のときに圧倒するためには個力が足らない

林:不満の残る出来。長時間起用されたがチャンスに絡めなかった

堀之内:状況判断力・戦術理解度が抜群に高いからこそあらゆる局面で起用される信頼を持たれているのだろう。若手選手はまず堀之内を見習うべし

啓太:残り試合がある中で復帰できたのは良かった。堀之内同様「何をすべきか」が分かっているので非常に助けられる

フィンケ監督:持ち駒が限られている状況は相変わらずの中、信頼の置けるベテランを効果的に起用して勝利を手繰り寄せる

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October 10, 2010

若き才能と海外移籍

ザッケローニ新監督の初陣は相手のコンディション不良を差し引いても、十分勝利を享受するにふさわしい戦いぶりでした。

ザッケローニ監督のここまでの印象は歴代の中でも極めて「マトモ」な部類に入る監督でスローガンありきだったりキャラの濃さだけが目に付く指揮官ばかりだった代表監督にようやく好感の持てる人間性を有した人物が来たという感想である(オシムのサッカー感等も好きですがアクの強さはあったかなと)。

さてそのザックジャパンの中核を担っているのが海外組である。ただ海外組といっても以前のようなブランドとしての海外組というわけではなくJで実績を積んだ上でそれ(代表での実績も当然加味されているが)をベースに海外にチャレンジしている選手が大半といってよく「海外にいるから選ばれた」というかつてのような評価は適さない納得のいく選手が増えてきた。

先日J4チームが獲得に向けてしのぎを削っている将来の代表候補・永井謙佑選手がウォルフスブルグから練習参加の誘いが来たというニュースが出た。以前中京大中京の宮市選手がアーセナルへ入団する話もあったが、練習参加からそのまま海外のチームへ入団するというケースが伊藤翔以降出てきている。

個人的にはプロ入団前の選手の練習参加はありだと思うが、武者修行的な位置付けでそのまま入団してしまうのは余り良い傾向だとは思わない。

海外移籍のブランド化が収まり、適正な評価で持って戦力としてチャレンジできる機会と実例、そして香川や長友のように実際に活躍できるという状態になったことは喜ばしいことでそれに続く選手が出るのは日本サッカー界にとっては確実にプラスである。(移籍金やJリーグ各チームの収益の面でいえば今もなお「マイナス」だが)

だが若き才能が青田買いのように海外に直接売られてしまうのは「才能の流出」という他無い。何しろタダ同然(育成費用はペイされるのであろうが)で持っていかれるのだ。プロチームからすれば後でいくらにでも化けることが出来る素材を育てる前に売られてしまうようなもの。長い目で見れば代表へプラスに還元されるのかもしれないが、Jリーグとしてはメリットは殆ど無い。

フィジカル面・メンタル面から言っても不安がある。成功例を見ると適応能力も層だがやはりプロのトレーニングを十分に積み下地が出来ているからこそと思われるケースが大半で未熟な状態で挑んで成功を収めたのは森本ぐらいではないだろうか?(U-19の指宿が今後どう育つかは注目ですが)

その森本にしたって早くからプロの世界に飛び込んで揉まれたからこそであり、ベースが無いまま才能に惚れられて海外のチームへ直接行くのはリスクが大きすぎるような気がする。

既に決まった宮市選手は伊藤翔の二の舞にならないことを祈るしかないが、永井選手は無論出来れば「過去の実績がある」レッズに来て欲しいが、それがダメでも最低限Jのいずれかのチームに所属してから海外に挑戦して欲しいと思う。

Jのヒエラルキーの中でも「育てて売る」チームと「買って起用する」チームが好循環で回る仕組み作りを行って欲しいと思うが、日本サッカーは世界から見れば「育てて売る」段階にいるわけだから将来を見据えて選手にも各クラブにも代表にもWIN-WINの関係性がもたらされるように「青田買い対策」を講じるべきなのではないかなと思う。

それは流出させないという手もそうだが、1人や2人海外に行ってしまったところでまだまだ豊富に人材がいまっせという状態にするのも立派な青田買い対策である。

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October 04, 2010

浦和2−1大宮〜秋のボール狩り〜

予想外と言っては失礼だが、これ程スムーズに得点しやや危ない部分はあったが勝ち点3をキチッと取れるとは思ってもみなかった。

大宮とは戦術的相性やメンタルの部分で噛み合わせが悪く思うようにいかないことが多い。戦前の予想はレッズがどう点を取るかにかかっていると思われたが果たしてその通りの結果となった。

勝因は色々あるが、大宮はホームだとレッズ相手に有効な引いた戦いが出来ないこと・先週眼下の敵FC東京を下したこと・レッズはいま自分達の流れを少しずつ掴みつつあり動きに反映されてきていること・メンバーが足らず必然的に危機感が高まっていること。

等が挙げられる。メンタルでは逆転した。では戦術的要因は何だろうか?

<徹底したボール狩り>

前半印象的だったのがボールホルダーへのチェックの素早さであった。中盤から後方の選手が連動してチェックに行き、奪ってから仕掛けるというシーン数多く目にする。

その流れがスムーズなことに驚いたが一番驚いたのが、前線が詰まったと見るやすかさず後方へバックパスを行い素早く立て直すというビルトアップをごく自然にやっていたことにある。

これまでは横パスとバックパスは分断したタスクになってしまっていただけにイライラの原因・攻撃が沈滞する原因になっていた。しかしいつの間にか横の回しや後方に戻してリズムを調えるといった所作に違和感が無くなってきた。

この流れに気温が下がったことによって前からのディフェンス(ボール狩り)が加わったことで中盤を優位に支配出来るようになったのである。

大宮はマークが絞りきれないことを敗因に挙げていたがそれはレッズがこれまでのような固定化した攻めでは無く縦横に変化をつけられるようになったことが影響している。

前からのDFはここ数試合で気温が下がったことに起因している。まさに秋のボール狩りである。

<調子乗り世代の本領発揮>

そして攻守においてキングとなったのが柏木である。彼が動き、局面に適したパスを供給することで中盤の優位性が格段に向上した。

そこには細貝の存在も絡んでいる。両者のコンビネーションが磨かれているからか、最初よりもバランスが良くなってきている。彼らはミスもそれなりにあるのだが、それを不快に感じないくらい献身的に動き回っていることが大きい。

大宮戦のベンチワークは細貝・柏木コンビを崩さなかった時点で完成していたといっても過言ではない。

柏木が本領を発揮するのは下手をすると来シーズン直輝がカムバックしてからと踏んでいたが、調子乗り世代の代表はやはり一度流れを掴むと伸びが凄い。

これまでのゲームメーカーは間近に見て凄さが分かるタイプが多かったが、柏木や細貝はスタジアムの上から見たほうが良さが分かる感じがします。彼らの動き(本当はここに直輝やスピラが絡むとより面白みが増してくると思うのですが)がいかにチームにプラスの波及をもたらしているかが分かるのかなと。

<目標は3位以内だが・・・>

ここ7戦負けなしとはっきりと向上しつつあるレッズだが、目標としている3位まではまだ勝ち点差がある状況。ただ残り9試合ある。名古屋が突っ走っているので分かりにくいが2位以下は混戦状況が続いている。上位同士や残留争いがかかっているチームとの対戦もあるので紛れは十分にある。またレッズ自身も上位対決が残っているので目標達成の可能性はまだ残っている。

だがここは3位以内という結果だけを追い求めるのではなく、内容の進化と戦力のボトムアップを第一にやって欲しい。つまり現状をさらに深掘りしていく事の方が重要だという事である。

直接対決残しの9試合であれば負けない戦いを心がければ順位は伸びる。大事なのは今後の試合で課題を炙り出してそれを試合ごとに消化させていくことにある。

目標達成した場合、その先には過密日程が待っている。戦術を徹底して浸透させ戦力のボトムアップを図っていくことは目先は結果に繋がらない部分もあると思うが、最終的には層の底上げが図れるのではないかなと。それは06・07年には出来なかった真のターンオーバーが可能な状態に持っていくこと。それがレッズが目指す方向なのではないかなと。

<選手寸評>

山岸:後半難しいミドルをことごとくストップ。シュートストップの技術は変わらず。この試合 の前半はバックパスの預けどころとしても機能していた

平川:徐々に守備面での貢献の方が目立ってきている。守備型SBとして新たな一面を見せるようであれば面白い

坪井:フィードミスは致し方なし。イチョンスを自由にさせず守備タスクは及第の出来

暢久:厄介なラファエルに徹底マーク。1失点したがそれ以外は概ね良質の出来。ラファエルにポストワークをさせなかったことも勝因の1つ

サヌ:1対1の弱さは仕方が無いが、原口とコンビネーションが築けていないことの方が心配

細貝:ミスが目立ったが献身的な動きでカバー。熱くなっている気もするが見方を変えれば汚れ役を進んで引き受けているとも取れる。代表を経て課題と成長をまた繰り返していくのかなと

柏木:攻守のMVP。動きで魅せるプレーヤーだとは思わなかった。パフォーマンスや喋りでももっとはっちゃけていいのではないだろうか?広島の槙野もそうだが多少ふざけるくらいがちょうど良いプレーヤーなのかもしれない。

達也:シュート以外の献身性は柏木に負けていない。ただシュートに関しては思うようにいかないことも多く好機を逸している。そろそろプレースタイルの変化が必要か

原口:ボールが渡らなかった後半は消えている時間が長かった。その間守備などで貢献できるようになればより進化するのではないかなと

高崎:動きに不満が残る部分もあったが、やはり急な出場で点を取ったという貢献の方が大きい。もっとポストワークが安定すれば新たな武器として機能するはず

エジ:得点には絡めなかったが得点前の崩しで関与したりバックラインにまで下がって守備をするなど多大な貢献でカバーしていた

堀之内:交代で中盤の安定化を図っていた。彼は状況に即した動きが出来るのが魅力である

濱田・林:出場時間少ないため割愛。接線の局面で彼らに長い時間任せられるようになればとも思う

フィンケ監督:細貝・柏木のコンビを崩さない配置と堀之内の起用タイミング。この2つのベンチワークをきっちりやっていた時点で仕事は完遂。軸とコンセプトを貫きながら徐々に結果に結び付けられるようになってきた

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September 26, 2010

浦和2-0新潟~浦和新スタイルの萌芽と減らぬ怪我人~

新潟は相性・主力が欠場しているという相乗効果も手伝って2-0の快勝。

それは単に勝っただけではなく得点シーンに至るまでの流れや試合の主導権を握るまでのステップなど内容面でも見るべきところもきちんとあったという点で意義ある勝利であったという点で大きいもの。

当然ホームで勝利したという安心感もプラスされていることはいうまでもない。

<試合展開>

新潟の戦い方は春先とは異なっていた。戦力がフィットせず戦い方も安定していなかった為にほぼワンサイドで試合の主導権を握っていたのがビッグスワンでの試合であったが、夏場以降新戦力がフィットし、チョヨンチョルがブレイクしたことで戦い方が安定し比例して結果も得るようになった。各選手がソリッドに動き前線の4人が流動的に攻撃に関与するやり方であったが如何せんマルシオ・リシャルデスとミシェルを欠いた為にパワー不足は否めなかった。

レッズの目線でいうとチョをいかに抑えるのかがポイントであったわけだが、1対1の戦いで制するというよりは前線からのフォアチェック+センターハーフ2枚の驚異的な運動量によるカバーリングという部分と連動して抑えているように見れた。

この試合のカギになったのがスピラノビッチ故障直後の10分ぐらいにあった。あの時間レッズの守備の連動性は崩れており、そこを新潟が突けば結果は逆になっていたかもしれない(現に1・2回ピンチはあった)。守備の個力ではこれまでのシーズンよりも劣っているのは否めないが連動性はこれまでの中でも図抜けているレッズ。その連動性とバランスの維持がいかに大変かを物語る時間帯であった。

攻撃は清水戦からの好調を維持。各所で語られているが裏への飛び出しと縦への仕掛けの頻度がこれまでよりも向上しておりそれが停滞感を生んでいた横パスにも良いアクセントとなっている。選手個々の動きも夏場を過ぎて涼しくなったことで向上良い流れを作っている。

その基点となっているのが細貝・柏木の金髪・銀髪コンビで彼らが積極的に動き回ることで組織の血流がスムーズになるようにボール回しや攻撃の連動性に繋がっているのが分かる。1点目はその象徴で新潟がボールサイドに寄るDFをしていただけになかなかエリア内でフリーになれなかったのだが、ミドルシュートレンジには人を全く割いていなかった。そこを見逃さなかったのが柏木であった。

当然ながら単に技巧を駆使したミドルシュートであったわけではなく、縦パスとポストワーク(エジミウソンのポストはこの試合は結構利いていた)が絡んでの結果なので組織で取った得点といって良いかなと。

結局はこの得点が明暗を分けることになった。新潟は後半になると攻め手を失い、レッズに完全に主導権を明け渡すことに。レッズはパス回しからチャンスを中々作れずにいたが、途中交代が結果としてアクセントになり右サイドの良質な崩しから(岡本が第3の動きで相手を幻惑したのが良かった)待望の追加点。久しぶりの勝ち点3となりました。

<清水戦・新潟戦がレッズスタイルのベースになる>

この2試合の攻撃という部分ではかなり見るべきものがあった。単にボールを回すだけの攻撃から徐々に変化が付いてきて「崩しの部分」で進歩が見られるようになった。相手がバックラインを下げた時の対処法がまだ気になる点ではあるが、セットプレーや個人の技量以外の部分でどう攻撃していくかが積年の課題であっただけにようやくだがポゼッションからの仕掛けを会得しつつあるのかなといえる。

ステップは第2段階から第3段階へ移行しようとしているのかなと。今度はポゼッション同士の戦いであっても攻めきる力を身につけないと3位以内は厳しくなる。

もう1つ進歩した点として上げられるのが世代交代である。今シーズンははっきりとレッズの中での主導権がアテネ世代→北京世代へ、そしてロンドン世代が絡むようになり組織の新陳代謝が出来つつある。もちろんまだまだベテラン選手への依存もあるが、課題を乗り越え自覚が芽生えている選手も多くなってきており期待は高まる。しかも戦術浸透度はかなり高く、選手が入れ替わってもクオリティが下がらなくなってきた。

だが返す返すも残念なのが怪我人の多さである。1人復帰しては怪我人が増えるといった状態。当然どのチームも抱えている悩みだが、勝手なことをいえば今のレッズの流れに山田直輝や梅崎が入っていないのは非常に惜しい話だし、エスクデロ・高橋・宇賀神といった選手が今の流れに乗る前に怪我してしまったのも勿体無い話である。

CB・CF以外のポジションは次世代の色がはっきり見えてきた。まだ課題も多いが上位進出に向けてポジティブな材料が見え始めてきた。また面白くなってくるそんな予感がする試合であった。後はダービーに勝ちきれるか?ここを勝てばおぼろげな自信が確信に変わるはずである。

<選手寸評>

山岸・・・これまでよりは若干出足が鈍く、安定感に欠いていたがチョとの1対1は冷静に対応

平川・・・両SBで安定したプレー。平川も自身が仕掛けるというよりチームを支える存在に変化しつつある

スピラ・・・とにかく怪我が軽いことを祈る

暢久・・・スピラが抜けても問題なく相手のFWをシャットアウト。スピラが抜けてからビルドアップ役を積極的にこなすあたりはさすがの一言

サヌ・・・守備では相変わらず難儀する場面もあったが、攻め上がりがだいぶスムーズになりその点ではSBが板についてきたといえる

細貝・・・ファイトしすぎる場面があったが、今はアグレッシブにミスを気にせずガンガンいっていいと思う。縦への仕掛けの基点の意識もだいぶ出てきた

柏木・・・とにかく動き回る。こんなに運動量のある選手だとは思わなかった。やりたいプレーが出来るようになったからか徐々に主張するようになったのが良し。ミドルも決まって良い傾向。

ポンテ・・・ミスもあったが動きでカバーしていたのでOKか。次節は残念ながらサスペンデッド

原口・・・チャンスに絡めずリベンジはならなかったが、裏への動きを再三繰り返しており、そことパスの出し手との呼吸が合えば得点チャンスはもっと増えるはずである。

達也・・・シュート以外の部分で攻撃を活性化。フォアチェック・ドリブルでのチャンスメークなどゲームメーカーとして機能していた。そろそろ得点よりも周囲を生かすプレーに特化したほうがよいのではとも感じるのだが

エジ・・・ポストワーカーとしてこの日は機能。ポジショニングも含めて利他的なプレーが目立った。今のレッズには必要な姿勢を彼は持っているが、欲を言えば得点機会にもっと絡んでほしい

坪井・・・投入当初はフィットせず苦しんだが、素早く順応し相手の攻撃の出足をことごとく潰していた。

岡本・・・緊張が取れ前に出るシーンが多かった。この選手適応力が高く頭が良い。2点目は彼の前への飛び出しが無ければ生まれなかった

セル・・・交代後のワンチャンスをきっちりものにした。相手の運動量が落ちたところでのセルのパワーあるプレーは結構効果がありそうだ

フィンケ監督・・・負傷交代3回ではベンチワークも生かせず。ただコンセプトを変えなかったところと過去の課題を少しずつ修正することが出来ている点を評価したい

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September 20, 2010

浦和1-1清水~ブレイクスルーのきっかけになるか?~

個人的な戦前の予想はもう少し苦戦するかなと思った。

ただでさえ怪我人続出する中、相手は不調とはいえレッズの苦手としている清水。自分たちのサッカーをやらせてもらえるがカウンターに手を焼いて思うように勝ち点が稼げない相手というのがこれまでのパターンだったので今回も同じ手にはまる予感がしていた。

清水はホームとアウェーで戦い方を変えてくる。ホームでは前線3TOPのパワーとスピードで圧倒する攻撃サッカーを繰り出すが、アウェーではカウンターを重視した手堅いサッカーに変化する。この辺が今ひとつ勝ちきれない要因でもあるのだが、レッズ相手には効果を発揮しているようでナビスコ・リーグ共にレッズのポゼッションサッカーと相性が良い。

レッズの変化は右サイドバックに岡本を抜擢。抜擢というよりは平川が負傷してしまい、本来スライド起用可能な高橋を戻すことが出来ない状況(前線がこれ以上怪我人が出せないぐらい出てしまっているので)がゆえの話であるので苦肉の策といえる。

<下がらなかったクオリティ>

不安視されたバックラインであったが、試合が始まるとかなりいい具合に相手の攻撃を防いでいる。清水はヨンセンのポストワークが攻撃の起点となっているが、ここにスピラノビッチが当たったことで潰しこめたことが大きい。岡本にしても1対1の相手が岡崎であることを加味してもバランスを崩さない安定したプレーしていた。パス・カバーリングでノーリスクのプレーを選択して暢久・高橋と連携が出来ていた。

何よりここ最近は選手が入れ替わっても、そして絶対に代えのきかない選手であった阿部が抜けたという状況なのにも関わらずチームとしてのクオリティは下がっていないし不調期よりもいいサッカーが出来ている。

この辺は結果になかなか現れないので評価しづらい部分ではあるが、チームとして目指すサッカーがキチンと浸透しているからメンバーが入れ替わっても違和感なく溶け込めているという感じがする。まして清水戦はユース所属の岡本が入っているわけだからチームとしてやるべきことが一貫していないと違和感が出てしまうはずである。

好調期のチームであれば誰が見てもやりたいことはわかるし周囲のパフォーマンスの良さでごまかせるが(オジェックやギドの時に何人か出てきたがその時がまさにそうなのかなと)今のレッズは決して良いといえる状態ではないわけで、そんな中でもバランスが崩れなかったというのはポジティブなシグナルを発せているのかなと感じる。

元々08年の崩壊後、ユースで展開していた人とボールが連動して動くサッカーをチームの掲げるサッカーとして構築していくことが目標だった訳でその前段としてTOPチームのサッカーとユースのサッカーを連動させることが必要であった。ここ数試合の原口や高橋のパフォーマンスと清水戦での岡本のプレーはまさにその連動性が機能していたことを示していたといってよい

<戦い方に課題有り、そしてここが次のステップへの重大なるポイント>

試合について述懐。ヨンセンの無力化に成功し、レッズ優位に試合を進めていく中で先制点をものにする。相手のミスから素早く縦に展開し、エジミウソンがきれいに流し込んで奪ったもの。これは良かった。その後も数回チャンスを作る。サイドからの崩しと中央でのコンビネーションなどバリエーションある攻めもでき2点目を取ればというところで決まらない。

そして良い流れをものに出来なかったツケが岡崎にたった1回許した決定機を決められてしまい結果として勝ち点1止まりになってしまったというのは何とも悲しい。

決定力不足と括るのは簡単だが、以前に指摘された決定力不足は「チャンス不足」であった。ボールを回すだけでチャンスが作れない。絶対数が少ないから決まらないというのが以前の課題であったがその状態は改善されつつある。今の課題は真の意味での「決定力不足」チャンスを生かす力、土壇場で決める力といったものがまだ足らない。

今のレッズは03年~04年の頃を経験している選手が殆どいない為、苦しい流れをブレイクスルーした経験を持つ選手が少ない。これは運の要素もあるのだが「決めるべき時に決める」というのは中々に難しく努力や気持ちだけではどうにかならないところもあるし、結果的にはそうしたメンタルの部分で全てが変わってしまう気まぐれなところもある。

原口がクローズアップされているが、彼にとって今後の明暗を分けるぐらいの試練が来ているのではないのかなと。ここでチームを高みに上げるには彼のような選手が決めるべき時に決める力を持つことが大事になってくる。

持っている選手は不用意に打ったシュートでも入ってしまうもの。今のレッズは再構築の真っ最中なので運不運なんかよりももっと確実性のある組織構成に力を注ぐべきだが、結果を求められている以上は組織力を爆発力に変えるきっかけが欲しいところ。

オフトが構築した組織サッカーは残念ながら途中で促成栽培に切り替わったことにより、長続きしなかった。今度の改革はより強固なものであるべき。であれば屈む期間が長くなるのは必定。勝てない・決められない苛立ちは確かにあるが、それはどうしても避けては通れないもの。過去成功した幾多のチームが必ず通る道をどうクリアするか?

決められずに勝ち点を逃した悔しさは残るが、それは必ずバネになる(もちろん適切なマネージメントが出来ていることが前提)。今後も含めて授業料の損失は覚悟の上で突き進んでいくべき。清水戦の内容はそれを納得させるに十分な内容であったと思う。

<選手寸評>

山岸・・・藤本のFKセーブはさすが。それ以外でも破綻無く良いプレーでした

岡本・・・できれば90分見たかったが、穴にならないように懸命にプレー。PSMのような攻め上がりを見たかったが相手が現役代表であれば仕方が無い

暢久・・・スピラと連携して清水の攻撃を抑えていたが、失点シーンはマークを外してしまっていた。経験ある選手であればラインを割ったことで動きを逡巡させるべきではない

スピラ・・・ヨンセンとのエアバトルを制していた。ヨンセンは度々持ち場を離れてプレーしていたのはスピラが機能していた証

サヌ・・・縦への突破は段々良くなっている印象だが、単騎突破がまだ目立つ。合流当初のコンビネーションワークを今こそ発揮すべきだが

細貝・・・彼のもう1つの特徴である「ポジションの順応性の高さ」を証明。右SBでも運動量を生かした良プレーを連発していた。責任感の高さがプレーでも伝わってくる

柏木・・・髪を染めて注目を集めさせる彼らしいアピール、意気込みの高さは買い。プレーについては運動量は変わらずだったが攻撃への関与が足らなかったか

ポンテ・・・前半で交代。怪我なので仕方が無いが45分のプレーは良かっただけに悔やまれる

高橋・・・岡本が交代してもポジションを変えなかったあたり攻撃面で信頼を得つつあるということか?前線で動き回り活性化に貢献。

原口・・・決められなかったのは仕方が無いが、プレーから迷いが減りつつある。多分ちょっとしたことで大きくブレイクするのではないかなと思われるが・・・。

エジ・・・この日は得点以外でも周囲との連携や献身さで貢献できていた。エジもまた「ブレイク待ち」の状態な気がするのだが

達也・・・復帰したがビックチャンスを決められず。怪我明けなので仕方が無いがもう少し前線の若手とコンビネーションを発揮して欲しいなと。ポンテがいなかったわけですし

堀之内・・・クローザーから究極の穴埋め役へ。チームの台所事情を考えると彼のような「分かっている」選手の存在は非常に貴重

高崎・・・他の選手との違いを出そうとする姿勢は分かるが、途中出場である以上はボールにもっと絡んで欲しい

フィンケ監督・・・やりくりとしてはこれが精一杯か。これ以上怪我人が出ると厳しい状況を差し引けば清水相手の1-1は仕方が無い。怪我人がこれ以上で無いようにコントロールして欲しいが、何より優先して欲しいのがブレイクするための心理コントロールだと思う。世代交代が一時の勢いに終わらないようにするには苦労の積み上げとブレイクの準備をしておくようにすることだが、指揮官の真価はここで問われるべきだと思う。

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September 13, 2010

浦和1-0FC東京~若手の胎動と大きな課題~

FC東京との試合はどちらかの1−0という結果が多い気がします。以前は東京今は浦和。

スタイルは両チームそれなりに変遷していますが、ぶれないところに面白さがあります。

今回もほぼ似た展開でしたが、お寒い感じはしなかった。もちろん勝ったからというのもあるし結果がそれなりに出始めたというのもあるが、内容に変化が出て来たのと次世代と言われる選手達に自覚が芽生えて来たのを感じ取ることが出来たからかもしれない。

さて試合を振り返りますか。

<緩急を意識したビルドアップ>

前半目についたのはこれまでのような単なるバックラインでのボール回しではなく、縦への緩急を意識したボール回しをしているなと感じさせたこと。代表で自信をつけた細貝とセンターハーフへコンバートされプレー領域が広がったことで「今の」持ち味を生かすことが出来るようなった柏木との動き出しのコンビネーションが光る。

これに呼応したのが原口。彼は左サイドに張るだけではなく局面に応じて右サイドへ顔を出す。ポジションチェンジを始めたのである。原口のポジションチェンジの動きは去年よく見られたが周囲の理解を得られず返って安定感を損なう要因になっていた。それが持ち味を封じることになったのだがこれが復活した。

この動きのきっかけは縦移動を積極的に行うハーフの選手がいるからというのもあるが、高橋の存在も少なからずあるはず。前半の前半は消極的だったが原口と連動するように左右のポジションチェンジを始めると運動量が増えてきた。

動き出しの変化はバックラインのビルドアップにも変化をつける。安定感のあるキープと相手FWのプレスポイントを常に意識しているので絶妙なポジション取りが出来るスピラノビッチとたまにミスをやらかすが基本的にはキープ・ビルドアップ共に定評がある暢久の組み合わせは緩急をつけたビルドアップには持って来い。結果相手が帰陣しているときにはゆっくりとボールを回し、隙を見るや縦に楔のパスを入れるというこれまでとは一味違う攻撃が出来たのである。

にもかかわらずチャンスが作れない。その理由は後述。

<細貝+柏木=阿部>

以前にも述べたが阿部の後継問題は早々と解消しそうな勢いである。細貝・柏木の吸収力と状況判断の上手さ、何より「俺がチームを引っ張っていくんだ」という気概をプレーで示しているというのが大きい。バックラインはスピラノビッチが鎮座して安定感を出しているし、ポンテが今の流れに再び絡めるようになったというバックボーンもあるのだが何しろセンターが良く機能している。

レッズの調子のバロメータは昔も今もセンターハーフが握っている。ここの良し悪しで勝敗が決するほどの影響力を持つ。直輝が絡めないのは大変痛いが今後に向けてまず新しい流れが産まれたことをまず喜びたい。

そして何よりサイドハーフの2人原口・高橋が積極的にポジションチェンジをしていた。動きに連動性があり常にお互いがお互いを補完する様な役回りで動いていた。レッズユースの08年はこの連動性が躍進の原動力となったがそれがわずかに蘇ったような感じであった。今挙げた4人が中盤を活性化させたことが大きい。

FC東京戦はわずかな差で明暗が分かれたような感じだが、次に繋がる要素はこれまでの東京戦より大きかったのかなと。ただ守るだけではなく自分達から仕掛けようという意図は見えてきた。後は精度の問題なんだと思う。

<現状のレッズの課題>

さて褒めてばかりではない。1-0という結果に終わったのには理由がある。1つは守備面の問題で4人が流動的に動くのはいいが4人全員攻撃に傾注すると当然ながらセンターに穴が開く。東京がそこを余り突かなかったので破綻はしなかったが今後スカウティングでスペースを狙い撃ちしてくるチームも出てくるであろう。バックラインの押し上げや全選手がディレイの意識を持つなど約束事の徹底が肝心かと思われる。

もう1つはかなり大きな課題。それは「前線のポストワーク」である。チャンスが作れない・点が取れないのはここが原因で、いかに選手が動き回りビルドアップにも工夫が施されたとしても一番感じな「決定機のその前」でミスを連発していては勿体無いだけである。

具体的に言うとエジミウソンのプレーに物足りなさがあった。彼にキープ力と捌く力があればチャンスの量産も夢ではない。せっかく選手がフリーで押しあがっているのにそこに確実にパスが供給されないとチャンスは一転ピンチになってしまう。

先に挙げた課題も実は攻撃が確実にフィニッシュまで持っていければ破綻は避けられるわけで1TOPの選手のボールコントロールは今のレッズにとっては攻撃の重要なポイントなのである。

気になるのがエジミウソンのパフォーマンスで、以前であれば不器用ではあったが献身性で補っていたのでレギュラーとして鎮座していても違和感はなかったが、ここ最近はどうも縮こまったプレーに終始することが多くミスも多い。

夏場以降レッズのサッカーがまたマイナーチェンジをしているのだがそこに乗っかれていないような、つまり2TOPの感覚でまだやっているような感じがするのだがどうなのだろうか?

エジミウソンのスコアラーとしての能力を疑っているわけではない。今のレッズの1TOPは点を取ることよりももっと重要な役回りを課されているだけに、点を取ることプラスアルファを出せる選手で無いと厳しいのではないかと感じてしまう。ポジションを1つずらせば点を取ることに関しては優秀な部類に入るので持ち味を発揮できるのではないかと思うのだが、試しにポンテと入れ替えてみてはとも思うのだが今のままではあまりに勿体無い。

<選手寸評>

山岸・・・1つビッグセーブ。ここ最近はまた落ち着きを取り戻しつつあり頼もしい

平川・・・高橋と呼吸が合わない部分もあったが上手くリード。前の激しいポジションチェンジをサポートできていた

暢久・・・コンディション不良もあって90分稼動できないのは痛い。もうじき彼が躍動できる時期に差し掛かるから心配はしていないが

スピラ・・・代表戻りでパフォーマンスが心配されたが全く問題なかった。1対1は常に安定。懐深いディフェンスとビルドアップに最適なポジショニング。90分見ていても飽きない

サヌ・・・縦への突破は魅力だが後半は石川に狙い撃ちをされていた。ファーポストへのクロスにサヌが対応するのはリスクがでかすぎる

細貝・・・ミスもあるが縦横無尽に動き回り代表の自覚と責任を持ったプレーに終始。シュートが少ないが動きでカバーといったところか。このまま怪我無く善循環して欲しいもの

柏木・・・ようやくレッズでの持ち味を発揮しつつある。ナルシスト的テクニシャンではなく、あくまで泥臭く動き回ることで攻撃に連動性を持たせパスを通すのが持ち味なんだなと

ポンテ・・・PKは読まれていてもあれなら止められない。確実性は群を抜いているが、フィニッシュに絡むところのプレー精度がもう少し高いとチャンスが量産できるのだが

高橋・・・前半途中までは消えていたが徐々に運動量を上げて存在感を見せ付ける。ツボを心得て常に全体のバランスを意識しながら動いていたのが印象的

原口・・・吹っ切れた感じがする。ドリブルとシュートのバランスが改善され武器が磨かれつつある。そんなだけに先制点の後のミドルは入ってほしかった

エジ・・・ただ1人躍動感が無い。以前よりもポストワークの比重が上がったからなのか、コンディションの問題なのか、シュートが無いことよりも献身性に乏しいことの方が心配

坪井・・・ビルドアップのことを考えなければ後半苦しいときに出てきてくれるのは助かる。大黒をケアし相手の左サイドからの攻撃をシャットアウトしていた

堀之内・・・クローザーとしての働き以上に苦しい時に縦に動き出すその姿勢と状況判断力の高さに舌を巻く

高崎・・・チャンスが巡ってきたがボールに余り絡めず。水戸時代のようなポストワークを見せてくれれば今後に期待大なのだが。。。

フィンケ監督・・・選手の選択肢が少ない中、ファーストチームを見事にコントロール。前線のミスの多さをどう捉えているのかが気になるところ

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