いかんですな
久々の更新です。
このブログを開始したのが04年のオフ。そこからレッズはタイトルを取ったりその後の紆余曲折を経て改革期=屈む時期に突入しました。
昨年までの低迷はかつてのようなどん底の状態ではなく、チームが今後世代交代を進めていきながら新しいスタイルを築いていくための過渡期としての低迷なので少なくとも降格の心配は無かったです。ところが今シーズンはまだ始まったばかりにも関わらず早くも危機的状況にあると見ています。
GW3連戦の敗戦はかなり重たいです。
1:戦術・戦略に早くも対策が講じられているにもかかわらず打開策が見出せていない
2:指揮官の理想と現有戦力のミスマッチが起きている
3:夏場の連戦に突入していないのにフィジカルコンディションに難がある
この3つですが、一番大きいのは指揮官のビジョンの危うさとマネジメントの拙さ。レイソル戦は相手指揮官・ネルシーニョが入念に準備してきたことが勝因に繋がっただけによりペトロビッチ監督の経験の浅さと応用力の無さが浮き彫りになっていた。
今シーズンのレッズの戦い方はいわゆるオランダ式のウイングサッカーで、1対1の勝負に勝つことを前提にして前から仕掛けるサッカーを良しとしている。がこのサッカーはパス精度とドリブル精度が高くないと個々の勝負で後手を踏み攻撃がままならない。ポジションが基本固定されているので変化がつけにくくボールを持った選手はミスも許されないし対面する選手との勝負に勝たないといけない。
Jの大半のチームは相手のストロングポイントをいかにして潰すかに焦点を置いているので大抵のケースレッズのウイングに対して相手のSBとCBもしくはボランチの片割れがケアし1対2になることが多い。レッズのSBが上がってフォローするケースもあるのですが、連動性が無くスペースがあるのにワンツーで時間をかけてしまうか単騎で撃墜されてしまう。またクロスに繋がったとしても時間をかけてのクロスなので相手に読まれてしまう。ポジション取りも悪いので余程奇跡的に繋がらない限りクロスからの得点は絶望的。
今のレッズは確かにドリブル勝負を好む選手が多いので、選手の特徴に適合した戦術であるように思えるのですが現代サッカーでドリブルだけで勝負が決まるケースはまれ(それこそメッシ・Cロナウドクラスでないと成立しない)で大抵はドリブラーが躍動できるよう周囲の動き出しで相手を釣るなど連動した仕掛けがないと勝ち目が無い。
指揮官の理想は分かるのですが、レッズの現有戦力でイメージにマッチするのはウイングの部分だけでそこに適切にボールを供給するための仕掛け作りが全く為されておらず、しかも打開しようと一部の選手にかなり無理な状況を強いているために本来やりたいこと・その選手が持ち味としていることを生かすことが出来ていない。
名古屋戦はかなりいい攻撃イメージのサッカーが出来ていたのですが恐らく長期の中断期間があったために対名古屋の対策を長期間に渡って取り組めたことが大きいのかなと。選手間のイメージもあの試合だけはすり合っていた。ところが相手が変わり対策が講じられるとあっという間にイメージが合わなくなる。スカウティングが落とし込めていないし、そもそも自分たちのスタイルも共有できているようには感じられない。
攻撃戦術も宜しくない状況ですが特に酷いのはディフェンス。ここが全くケアできていない。プレシーズンの頃から不用意な失点(セットプレーのマークミス、相手のサイドアタックやカウンターに対してのマークがルーズであることによる失点)が多い。
選手間の距離がここ数年のレッズのサッカーの中でも極端に離れている。ギド・オジェック・エンゲルスはリトリートをベースにしていたので全般的に引き気味のライン取りであったがコンパクトさを保っていた。フィンケは逆のアプローチでライン設定を高めにしてコンパクトを維持するやり方を採用していた。いずれにしても詰まっていることが前提であった。
ところが今シーズンのレッズを見ていると選手間の距離がやたらいびつで離れている。CBはいいとしてSBとボランチ(アンカー)であったり前線と最終ラインの距離がやたら離れているので選手個々の負担がものすごくデカイ。さらにCB2人はおそらく指示によるものだと思うのだがポジションをブレイクせず張っているだけのシーンが目立つ。だからバイタルエリアで相手がフリーの状況であったりSBがオーバーラップした裏を突かれているのにケアできないというのを何度も目にする。今の失点数で済んでいるのが不思議なぐらいに。
攻撃的サッカーを標榜してその代償であるならば分かるのですが、どう見ても未整備なディフェンスをそのまま放置してしまっているのは納得がいかない。しかも確固たる守備戦術を構築するふしも見られない。
「スタイルを変えない」といった矢先の大敗で足元がぐらついている状況だが、指揮官の言うスタイルが果たして今のJリーグで、今のレッズの戦力でそもそも達成しえるものなのか怪しいものがある。変えずにぶれずにやることで目的地に達成できるのであればいいのだが、地図が間違っていて全然違う目的地にたどり着いてしまったらシャレにはならない。
そもそもこうなったのはJリーグ上位チームのある意味ではお約束である「ビジョンの構築」が全くなされないまま、フロント・指揮官・選手の思惑がすれ違っていることにあると思う。
・タイトル奪還と観客動員増を同時に達成しようとして無茶な目標設定を掲げているにもかかわらず、肝心の指揮官選定で手を抜いてしまったフロント
・信念だけで動いてしまい、マネジメントの部分で青さを見せる指揮官
・ベースが無い中で個々の力だけで何とかしようとする選手
一体感が醸成出来ないまま、「こんなはずじゃないんだ」という思いを抱いて突き進むのは極めて危険な兆候。過去J2に降格したチームは戦力で他よりも明らかに劣っているか状況に適合しない施策を遂行し続けていたところが大半。直近だとFC東京やそれこそレイソルがそう。ポテンシャルがあるにもかかわらず上手く生かせないままシーズン終盤に突入し尻に火がつくというケースが多いです。
99年のレッズも同様でした。あの時は怪我人の多さもありましたが指揮官交代の時期を誤り、また補強のタイミングもとにかくあらゆる策が裏目に出たことで土壇場になるまで一体感が作れなかったというのが降格の要因でした。
今シーズンはあの時に近い状況に追い込まれようとしています。序盤で勝てない時期が出てきていますがそれを上手く危機感に結び付けて勝つための策を講じないといけないところまで追い込まれていると感じています。
フロントは「指揮官交代=自分たちも腹を切る」という状態なので指揮官が辞任を申し出ない限りは鉈を振るえない。指揮官はレッズOBということで采配を振るうことに生きがい・充実感を持って臨んでいるから簡単に辞めるとは言わない。サポーター、特にゴール裏は前任者と違い気持ちの部分で共感出来ているから安易にブーイングを飛ばせずプレッシャーも掛けられない。
すぐさま状況改善するのは厳しい状況かなと。もちろんペトロが戦術・戦略を現実路線に転換し最適な環境を構築できればレッドゾーンの突入は避けられると思いますが、どこで舵を切り替えることが出来るかがポイントになるような気がします。ホームでの試合がこれから続いていきますが頑迷に今のやり方に拘ってホームアドバンテージを活かせないのであれば腹を括る必要があるかなと思っています。
これが杞憂に終わることを節に祈るばかりです。。。


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